マンスリーリレーコラム
第16回 「ジオパーク」は難しい?
鳥取砂丘
はじめまして。私は鳥取市役所 観光・ジオパーク推進課の下田と申します。突然ですが、皆さんは「ジオパーク」と聞いて、どんなことを思い浮かべますか?
私は2020年の4月から事務員としてこの仕事に携わっていますが、仕事を始めた当時は「ジオパークって難しそう。これまで地形や地質について勉強してこなかった自分に、この仕事が務まるのだろうか」と考えていました。それは家族や友人など周りの人たちも同じで(私自身がエリア外の出身ということもあるかもしれませんが)、ジオパークに関わったことのない人にとっては『ジオパーク=専門性の高いもの』という印象が大きいように思います。
しかし、この2年ほどジオパークの仕事に携わって、その印象は大きく変わりました。『ジオパークは、見ているものの世界を広げる一種のシステムのようなもの』。これは、私が仕事で関わった方から聞いた言葉です。
例えば、鳥取市にある日本有数の観光地「鳥取砂丘」は、広くてきれいな砂の景色という印象を抱いている方がほとんどだと思います。しかし、そこにジオパークという視点を取り入れ、鳥取砂丘の形成やその歴史について知ることで「鳥取砂丘は、長い年月をかけて、そして様々な要因が重なってこの場所に存在している」という実感につながり、また違った視点で鳥取砂丘を楽しむことが出来ます。これは、ジオパークの中にあるすべてのジオサイトにいえることです。
私もガイドや学芸員の皆さんの解説を受けながらいくつかのジオサイトを見てきましたが、すべてにその場所ならではの物語があり、これまでただ風景を見ていた時とは異なる感動を覚えました。まさに「世界が広がる」というのはこういったことなのだ、とその言葉がとても腑に落ちました。
とはいえ、私自身もコロナ禍になってからこの仕事を始めたので、まだまだ訪れたことのない、知らない世界がたくさんあります。いつかまた自由に行きたい場所に行ける日が来たら、その時は思いっきりジオパークを満喫したいです。
そして、周りの人たちにも「世界が広がる」感動を伝えられるように、自分自身もジオパークに関する勉強を続けていこうと思います。
投稿者:鳥取市 観光・ジオパーク推進課 下田 梢
電話:0857-30-8293