豊かな生態系
豊かな生態系
山陰海岸ジオパークの植物
山陰海岸ジオパークでは、多様な地形と日本海側の気候により、地域ごとに特徴ある植物が分布しています。
岩場からなる海岸地域を見てみると、ホンダワラやワカメなど各種の海藻類が岩盤に付着し、藻場を形成しています。砂浜では、コウボウムギやハマヒルガオなど、砂地や乾燥に適した特徴的な海浜植物を見ることが出来ます。また海岸付近に古くからある神社の社そうや魚つき林には、常緑広葉樹林が残されているところも多くあります。
一方、扇ノ山などの山地には、ブナやミズナラなどの落葉広葉樹林からなる自然林も広がっています。
その他、日本海側の海岸地域にしか自生せず、京丹後市の花でもあるトウテイラン、日当たりのよい草地に生育し、香美町の町花でもあるユウスゲ、新温泉町田君川をはじめとする河川や湧水池に繁茂するバイカモ、岩美町の海岸にわずかに自生するヒゴタイ、岩美町唐川のカキツバタや香美町ハチ北大沼などにみられる湿地植物など、各地で特徴的な植物をみることができます。
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トウテイラン
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ブナ林
山陰海岸ジオパークの動物
山陰海岸ジオパークの動物の分布には、地史や複雑な地形の影響が顕著にみられるものがあります。また、絶滅危惧種や天然記念物に指定されている種類も少なくありません。
日本のメダカにはキタノメダカとミナミメダカがいますが、この2 種の分布境界は兵庫県北部や京丹後市であり、この地域ではハイブリッド(交雑)集団がみられます。両生類のアベサンショウウオとサンインサンショウウオの境界は鳥取県と兵庫県の県境あたりになります。これらはすべて絶滅危惧種でもあります。その他にも、鳥類では山岳地帯にすむイヌワシ、昆虫・クモ類では鳥取砂丘などに生息するカワラハンミョウやイソコモリグモ、円山川の湿地などにすむヒヌマイトトンボなどの絶滅危惧種がみられます。
天然記念物では、生きている化石と呼ばれるオオサンショウウオが国の特別天然記念物に指定されており、森林の樹上でくらすヤマネなども国の天然記念物です。特別天然記念物のコウノトリの国内最後の生息地となった豊岡盆地では、コウノトリの郷公園を中心にコウノトリの住める地域づくりに取り組んでいます。これまでに約500羽以上のコウノトリの繁殖に成功し、野生復帰を行っています。コウノトリの郷公園にはコウノトリを間近に観察できる公開ゲージや観察サイトが整備されています。
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オオサンショウウオ
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コウノトリ