マンスリーリレーコラム
第14回 Think Globally, Act Locally
2015年 第4回アジア太平洋ジオパークネットワーク(APGN)山陰海岸シンポジウム開会式
新年あけましておめでとうございます。
鳥取県職員として、以前、山陰海岸ジオパークの活動に携わらせていただきました遠藤と申します。山陰海岸ジオパークが2010年10月に世界認定されてから、早いもので12回目のお正月を迎えることになりました。
振り返ってみますに、この間、地域を巻き込んだボトムアップでのソフト面、ハード面での観光客の受け入れ体制の充実や学術面での取組の発展など、ジオパーク活動が発展してきたことは2度の世界再認定の際にも高い評価を受けるなど多くの人が認めるところであり、この取組に関わってこられた皆様の熱意、力の大きさに改めて感じ入りますとともに、短い期間でしたが行政の担当者の一人として関わることができたことを非常に誇らしく思っているところであります。
私が山陰海岸ジオパークの活動に直接携わったのは、2014年から2016年の半ばまでですが、その間貴重な経験をいろいろさせていただきました。2014年には最初の世界再審査がありジオパーク活動がグローバルな視点を持った活動であることを再認識いたしましたし、南アルプスで開催された日本ジオパーク全国大会に参加した際に早朝到着後駒ヶ岳に登ったところちょうど御嶽山の噴火があり自然の脅威を直に感じさせていただきました。
2015年にはアジア太平洋地域のジオパーク大会が山陰海岸ジオパークで開催され、アジアから多くの方をお迎えさせていただきました。こうしたジオパークの取組に携わらせていただいたことにより、グローバルな視点で地域の活動を評価、推進するという意義を学ぶことができたと思っております。こうした視点は、地球気候変動など地球規模の課題が顕在化する中、非常に重要な視点であり、ジオパーク活動はそうした意味でも非常に先駆的な取組であり、地域にとっても意義の大きい取組であると思います。
2020年初めから、コロナウィルスの影響で、山陰海岸ジオパークエリアでも観光面を始め多方面で大きな影響を受けております。今年も予断を許さない状況が続くかと思いますが、人の動きをはじめ、これまでの2年とは違う年になるような気配も出てきております。
今回のパンデミックを契機に、都市部の人の中にも、山陰海岸ジオパークエリアのような自然に恵まれ、グローバルな理念を基礎に持つジオパーク活動で培った外からの人を気持ち良く受け入れる体制が整った地域に目を向ける人も多くなっていると思います。そういう意味で、今年は今後の飛躍・発展に向けたチャンスの年になるかもしれないと思っております。
新たな高みに向けて、山陰海岸ジオパークエリアの皆様が力を併せて、今年をこの地域が一層飛躍発展する年にしていければと思っております。最後になりましたが、山陰海岸ジオパークに関係する皆様にとり良い年になりますことを心よりお祈り申し上げます。
投稿者:山陰海岸ジオパーク海と大地の自然館 元館長 遠藤俊樹