マンスリーリレーコラム
第12回 浦富海岸でアルバイト
浦富海岸(西脇海岸)
はじめまして。大学生の杉野竜太です。私は地元を離れて鳥取大学に進学後、ノーマスクで大学生を謳歌していたのも束の間、コロナ禍を迎えました。当時は自粛ムード真っ只中で、暇を持て余していた私ですが、そんな折、山陰海岸ジオパークエリア内にある鳥取県岩美町の浦富海岸で、シーカヤックのアクティビティツアーのガイドをするアルバイトを、知人の紹介で知りました。その当時、授業がオンラインになるなど、学生活動が軒並み休止したため、鳥取に残る理由が失われつつあった私ですが、「せっかく鳥取にいるなら、鳥取でしかできないようなことをやりたい!」と思い立ち、このアルバイトを始めました。
ガイドの主な仕事内容は、遊びに来てくださったお客さんをカヤックで案内して、浦富海岸の綺麗な海や雄大な洞窟を楽しんでもらう手助けをすることです。カヤックを漕いだことがない初心者の私でしたが、事業所の方々から、操船技術にはじまり、ガイドとしての接客マナーや応急救護、危機管理(リスクマネジメント)の基本まで、優しく丁寧に指導してもらいました。特に、危機管理の考え方については、ガイドとしてお客さんを安全第一で案内するという役目を果たす上でも、非常に重要な要素となっており、過去の日本で起こった事故事例などを踏まえながら綿密に教えてもらいました。こうした経験は、たとえ大学生であっても、一ガイドとしての務めを果たすという「責任感」が芽生えるきっかけにもなりました。
ガイドとしての腕前はまだまだ発展途上な私ですが、お客さんから、
「鳥取の海キレイですね!」
「洞窟こんなにも入れるんですね!」
「お兄さんいっぱい褒めてくれますね~!」
「お兄さんがガイドで良かったです!」
「めちゃくちゃ楽しかったです!ありがとうございます!」
などと、肯定的な感想を仰ってくださるたびに、「やっててよかった~!」と思え、このようなありがたいお言葉を聞けるように、今では精一杯ガイドをしているといっても過言ではありません。
私自身、大学生のうちにやりたかったけど、コロナ禍になってできなくなったことはたくさんあります。しかし、このような逆境から新たに繋がれた人がいて、新たに得られた経験があるのも事実です。このような時代だからこそ、リモートでは替えのきかない経験をする価値を、改めて思い知りました。
投稿者:鳥取大学 杉野竜太
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