山陰海岸ジオパーク学術研究奨励事業において採用された
大学生、大学院生、研究者による学術研究の採択事業を紹介します。

 

【山陰海岸ジオパーク学術研究奨励事業】
山陰海岸ジオパークにおける自然・環境に関する調査研究や、地域づくり及び地域経済に関する調査研究など、大学生、大学院生、研究者等が行う研究に関するものについて、一定の範囲で研究費を助成するものです。
 

【対象となる研究】
山陰海岸ジオパークにおける調査研究で、次のいずれかに該当するもの。

(1)自然・地環境に関する調査研究

(2)地域づくりおよび地域経済に関わる調査研究

(3)その他山陰海岸ジオパーク推進協議会会長が補助対象となると認めた調査研究

 
    

【平成27年度山陰海岸ジオパーク学術研究奨励事業 採択事業一覧】

 

No.
事         業
 
1
2
3
4
5
6

NO.1
<研究題目>
京丹後市北西部地域におけるジオツアー候補地選定のための基礎調査
 
<研究者>
安野 敏勝
福井工業高等専門学校(非常勤講師)
 
<要  旨>

今回の調査の結果、下表の5地域を選定した。下表で示したように、候補地は観察できる主な地形・地質・化石などの事象を基にしている。


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NO.2
<研究題目>
鳥取県東部国府町神護地域の地質:特に鳥取層群普含寺泥岩層について
 
<研究者>
竹田 怜那、池内 萌加
鳥取大学地域学部地域環境学科
 
<要  旨>
鳥取県東部国府町殿ダム周辺には、中新世の鳥取層群、同層群を貫くひん岩、鮮新世?更新世の稲葉山玄武岩が分布している。この中で鳥取層群の層序学的区分について問題があったため、本研究では殿ダム北方の神護地域の主に鳥取層群について検討を行った。研究地域の鳥取層群は下位から八頭層の河原火山岩層、岩美層の普含寺泥岩砂岩層および栃本頁岩層に細分される。河原火山岩層は主に変質した暗緑色の安山岩質の火山噴出物から構成され、凝灰質の砕屑岩を挟んでいる。普含寺泥岩砂岩層は黒色泥岩および砂岩から構成され、まれに礫岩を伴う。
泥岩には植物化石を含むことがある。堆積相を検討した結果、氾濫原とチャネル(蛇行河川)の堆積物と考えられる。栃本頁岩層は薄い砂岩を挟む泥岩からなり、魚化石や貝化石の産出報告がある。砂岩にはハンモック状斜交層理や平行葉理が認められ、内側?外側陸棚の堆積物と解釈される。

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NO.3
<研究題目>
地球科学的資源の活用とジオストーリーの作成:鳥取県東部鹿野町および鹿野街道の例
 
<研究者>
末松 歩、佐野 円香
鳥取大学地域学部地域環境学科
 
<要  旨>
鳥取県東部鹿野町および鹿野街道でジオツアー用のガイドブックを作成するため、以下のようなジオストーリーの開発を試みた。
(1)鹿野街道と吉岡断層
(2)峠地蔵と石畳道
断層によってできた地形と鹿野街道の位置から、人々が地形を利用して街道として使っていたことを知ることができる。
(3)鳥取地震と損壊した鳥居
鹿野町の末広神社では1943年に起こった鳥取地震によって損壊したと考えられる鳥居があり、鳥取地震による被害の一つを目にしてから、地震を引き起こす原因へと誘導する。
(4)鳥取地震による水路のずれの方向
末広神社の近傍の末用には、鳥取地震を引き起こした原因と考えられる鹿野断層が動いた痕跡が水路のずれとして残っている。この水路のずれの方向の原因をプレートテクトニクスの観点から説明する。
(5)鹿野城の土台の岩石の成因
鹿野城天守台跡のある山には花崗岩と火山砕屑岩が露出している。日本列島のような島弧における火成作用はプレートの沈み込みによって生じており、それらを用いて、プレート沈み込み帯での火成作用についての理解を深めてもらうことが可能である。

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NO.4
<研究題目>
北但層群といわゆる照来層群流紋岩類との地質学的関係の再検討
 
<研究者>
郡山 鈴夏、山本 大寛
兵庫県立大学大学院 地域資源マネジメント研究科
 
<要  旨>
山陰海岸ジオパークには日本海拡大期(北但層群)?日本列島形成後(照来層群)の火山活動によって形成された地層や岩石が広く分布する。主要なジオサイトになっているこれらの地層・岩石であるが、どのように形成されたかは未解明な部分が多い。これらを解明することはジオストーリーを構築するうえで重要である。そこで、照来層群とされる岩石と北但層群が密接に分布する但馬御火浦および竹野両地域を中心に地質学的研究を行った。
その結果、但馬御火浦地域においてジオサイト獅子の口が陸上火山活動で形成された溶岩類であること等を解明した。また、竹野地域に広く分布する流紋岩体は、複数の岩体から形成されており、一連の溶岩流による形成ではなく、複数の供給源があった可能性が浮上した。
さらに三尾地区にて研究成果報告会を行い、ガイドを含めた地域住民にジオサイトとしての三尾地域の価値を知ってもらう機会を設けた。さらにジオサイトの地質学成因を模式的に解説したポスターを三尾地区内に掲示した。

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NO.5
<研究題目>
ジオツーリズムにおけるアウトドア・アクティビティとジオガイドの有効性
 
<研究者>
得田 雅人
兵庫県立大学大学院地域資源マネジメント研究科
 
<要  旨>
ジオパークは、地域の自然遺産を保全しながら教育・普及とツーリズムに活用していくことにより、地域の遺産を生かした持続的な地域の発展を目指すことを理念としている。中でも持続性という観点に立てば、とりわけツーリズムの役割が欠かせないと指摘されている(渡辺,2008)が、これまでジオツーリズムの方向性について、定量的なデータに基づいて議論した研究例は少ない。山陰海岸ジオパークを事例に、ジオパークをツーリズムに活用するための方向性について考察した。Web解析やアンケート調査、聞き取り調査を行い、ジオツーリズムにおけるガイドおよびアウトドア・アクティビティの有効性について検証した。Web解析では、景勝地やアウトドア・アクティビティへの興味・関心が高く、今日の様子を風景写真とともに情報発信することが効果的であることが明らかとなった。来訪者へのアンケート調査では、ガイドを利用した人の方が利用しなかった人よりも満足度が高かったこと、アウトドア・アクティビティを利用した人の方が利用しなかった人よりもリフレッシュ・健康増進への満足度が高かったこと等が明らかとなった。ガイド団体・事業者への聞き取り調査では、ガイド活動を行っている団体は来訪者が非日常体験や精神的な癒し、リフレッシュを求めていることを意識していない傾向にあり、ガイド活動を行っていないアウトドア・アクティビティ事業者は、来訪者がガイドの解説への満足度が高いことを感じ取れていない傾向にあることが明らかとなった。以上のことから、ジオパークをツーリズムに活用するためのポイントは、美しい風景、アウトドア・アクティビティ、ガイドであるという結果を得た。さらに、ガイドとアウトドア・アクティビティ事業者は来訪者の満足度を高めることにおいて、お互いに補える部分がある。ジオパークに関わる人のネットワークづくりを行い、ネットワーク全体で美しい風景やガイド付きでアウトドア・アクティビティを行っている様子をSNSやホームページで定期的な情報発信を継続することができれば、より持続可能な地域の発展が期待できる。

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NO.6
<研究題目>
但馬地方蘇武妙見地域の北但層群に記録された日本海拡大期のテクトニクス
 
<研究者>
羽地 俊樹
京都大学大学院理学研究科
 
<要  旨>
日本海拡大の終了前後に西南日本がどのような力を受けて、どのような振る舞いをしたかには未解明な点が多く残されている。この問題に制約を与えるために、但馬地方蘇武妙見地域で日本海拡大の終了前後の力を保存していると期待される小構造(鉱物脈・岩脈)の方位データ採取と方位解析、および年代測定を行った。本地域の岩脈および鉱物脈の方位に、それらを形成した力を求める手法を用いた結果、本地域は日本海拡大の前後を通じて正断層型の力であったことがわかった。この結果は90年代まで考えられていた描像と異なる。また、村岡層中の岩脈にジルコンによるFT年代測定法を用いた結果、14.2±1.2Maという先行研究で行われている他の手法の年代値と矛盾のない結果が得られた。日本海拡大時および拡大終了後の本地域の振る舞いは、西南日本弧の中でも特殊なものであった可能性がある。また、西南日本全体の再検討が必要であると考える。

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【平成26年度山陰海岸ジオパーク学術研究奨励事業 採択事業一覧】

 


No.

事         業
 
1
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4
5
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7
8
9
10


NO.1
<研究題目>



兵庫県但馬地域の集落景観に関する研究
 

<研究者>
入江貴道
国立明石工業高等専門学校
 

<要  旨>
日本を含む世界の国々では、文化的景観や地質遺産の保全活動が進められている。例えば、その中に山陰海岸ジオパークがある。山陰海岸ジオパークに含まれる地域では、青井石や玄武岩のような地質的遺産も見ることができる。
本研究の対象となる地域は、兵庫県沿豊岡市竹野町の沿岸部にある集落である。これらの集落では住民と自然が共存しており、他の集落では見ることのできない独特な景観と営みが感じられる。しかし、具体的にどのような特徴的景観を持ち、住民たちがどのような生活をおくっているのかが示されておらず、地質遺産の評価と保全の動きが足りていないとも考えられる。
そこで本研究の目的としては、2つの集落に焦点を当て、厳しい気候や地形条件に対して集落を構成している景観の特徴を明らかにするという事と、これから地域住民や山陰海岸ジオパークのような機構がこれらの集落で取れる地質遺産を保全するのに必要な、人と自然の関係性を示すこととする。

 

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NO.2
<研究題目>



猫崎半島・森本・神鍋高原ルート沿いの新第三系層序と哺乳類足跡化石等の研究
 

<研究者>
安野敏勝
福井工業高等専門学校(非常勤講師)
 

<要  旨>
猫崎半島から竹野川・支流の山椒川に沿って神鍋高原に至るル?ト沿いや神鍋高原西部(栃本・名色・田ノ口)には、デイサイト質の火山活動による厚い噴出物と、これに重なる堆積岩が分布している。これらは、新第三紀の、現在の日本海形成され始めた頃の産物である。堆積岩からは多様な化石が産出する。長鼻類の臼歯、哺乳類(偶蹄類、奇蹄類、長鼻類)の足跡、淡水魚(咽頭歯)、淡水生貝類、植物(葉)、地層中に埋もれている立ち木、生痕(水生動物巣穴や這い跡など)の化石である。リップルマ?ク(波の跡)も産出した。今回の調査で、初めて竹野町段から偶蹄類・奇蹄類の足跡、田ノ口から鳥類(?)・偶蹄類・奇蹄類の足跡、魚類、貝類や植物などの化石が産出した。これは、海岸部と内陸部の堆積岩類がほぼ同時代に形成されたもので、当時両地域は河川でつながっていた水系であったかあるいは同じ淡水域であった可能性を強く示している。この北但馬地域は、足跡化石が400Km2 に及ぶ範囲から産出する日本有数の化石産地である。

 

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NO.3
<研究題目>



ジオツーリズムにおける望ましい情報ツールのあり方に関する研究
 

<研究者>
得田雅人
兵庫県立大学大学院地域資源マネジメント研究科
 

<要  旨>
ジオパークは、地形・地質遺産を中心とする地域資源を保護・保全するとともに、教育・普及活動とジオツーリズムに活用することにより、持続可能な地域の発展を目的としている。ジオパークの成否は、持続性という観点に立てば、とりわけツーリズムの役割が欠かせない。しかし、ジオパークに訪れる人やジオツーリズムに参加する人は地質・地形に馴染みのない人が多く、とっつきにくくて難しいというイメージをもたれがちである。そこで、ジオストーリーにより地域を魅力的に語ることが有効であると言われてきている。本研究では、ジオストーリーを魅力的に語るための情報ツール(ホームページ、本・雑誌、パンフレット、看板、ガイド、SNS、アプリ等)の利用現状について調査し、ジオツーリズムにおいてジオパークをより魅力的に伝えることができる情報ツールの活用について考察する。
ジオツーリズムへの情報ツールの利用を調査すると、山陰海岸ジオパークでは、ホームページは効果的に活用されているとは言えず、看板やガイドの利用率は低いことが明らかとなった。他地域では、タブレットを利用したガイドやイベントを行ったり、地域が一体となってガイドアプリを製作することで、来訪者の満足度向上を図っているところもある。各ジオパークのホームページの掲載内容を比較すると、山陰海岸ジオパークはアクティビティの発信量が多いことが明らかとなった。アクティビティに関する情報をさらに充実させることと、携帯用端末とガイドをうまく組み合わせることで、山陰海岸ジオパークの魅力がさらに向上すると考える。

 

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NO.4
<研究題目>



鳥取県岩美町における観光意識調査
 

<研究者>

吉田侑浩①、山口風雅①、日高里咲①、市川晴菜②
① 鳥取環境大学環境学部
② 鳥取環境大学経営学部
 

<要  旨>

鳥取県岩美町は、豊かな自然を生かしたマリンアクティビティが盛んであり、近年ではTVアニメ「Free!」の舞台探訪地として観光客の増加が著しい。しかし、その受け入れ態勢には課題が多く残されている。この研究は鳥取県岩岩美町での観光における課題を明らかにし、その解決案を提示することを目的とする。研究の結果、以下の2点の課題に注目した。

1.荒天時における観光の不便
岩美町での観光は、海岸でのマリンアクティビティなど屋外での活動が大部分をしめるが、悪天候時での対策はほとんどとられていない。そこでボランティア団体への施設運営の委託等で解決を図ることを解決案の一つとする。

2.数年後の観光客の減少
岩美町では、「Free!」を目的とした観光客の減少が懸念されている。解決案として、リピーターの増加を狙うことを提案する。「Free!」を目的とする来訪者は主に20?30代の女性であり、彼女らを惹きつける施設・サービスの設置が考えられる。

岩美町の観光における課題はまだ挙げられるが、それらひとつひとつが今後の発展につながる可能性を持つと考えられる。

 

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NO.5
<研究題目>



山陰海岸ジオパークの海岸域の地質・地形的特徴を活用した中学校向け教材研究
 

<研究者>
森垣良平
兵庫県立大学大学院地域資源マネジメント研究科
 

<要  旨>
中学校理科「大地の成り立ちと変化」における岩石、地層、地形などの観察は、身近な地域の自然を使いながら授業を進めることが重要である。そのために、ジオ資源の教育への適用をすすめている、サイエンスアゴラと伊豆半島ジオパークを調査した。教材化の基礎となる研究として、まずは香美町安木浜海浜砂粒の粒度分析を行った。そして、山陰海岸ジオパークの特徴を生かした教材開発に取り組んだ。
それらの研究や調査を基に教材化を進めた。中学校1年生向けに粒度分析と鉱物の観察を中心とする教材の開発と授業を行った。授業では、生徒は意欲的に学習に取り組み、正確なグラフやスケッチを描くなど運搬・堆積に対する理解が深まった。粒度分析は、生徒の理解を深めるために有効な教材であることが確かめられた。

 

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NO.6
<研究題目>



兵庫県但馬地方妙見山地域の北但層群に記録された中新世のテクトニクス
 

<研究者>
羽地俊樹
京都大学理学部地球惑星科学科地質学鉱物学教室地史学講座
 

<要  旨>

本研究では兵庫県但馬地方妙見山地域で行った。本地域は日本海が拡大した当時の地層が西南日本の中で特徴的に厚く分布し、山陰海岸ジオパークのテーマである「日本海拡大」イベントの多くの地質的情報を持っている。
本研究で日本海拡大期のテクトニクスについて新知見が得られた。本地域の日本海拡大時および終了後とされる岩脈の方位はそれぞれ方位の異なる平行岩脈群であるとされていたが、今回採取した岩脈の方位データはステレオネット上で水平ガードルパターンを示した。またこれらから当時の応力を推定したが、ともに正断層型軸性圧縮応力を示した。
以上の結果は、日本海拡大の終了が応力状態の転換に対応するとする通説と異なる結果であった。応力転換を伴う日本海拡大の終了時期は再検討されるべきである。

 

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NO.7
<研究題目>



兵庫県豊岡市但東町東床尾山付近に分布する新第三系の層序学的研究

 

<研究者>
菅森義晃
鳥取大学地域学部地域環境学科
 

<要  旨>
兵庫県豊岡市但東町に分布するに分布する新第三紀の地層の研究を行い、研究地域の地質がどのようになっているかを調べた。
新第三紀の地層は北但層群と呼ばれ、ペルム紀の地層や白亜紀?古第三紀の花崗岩を不整合に覆っている。本報告では研究地域の北但層群を下位からA層、B層、C層およびD層に仮区分した。A層は下位から礫岩、玄武岩質安山岩および礫岩砂岩互層から構成され、B層はデイサイトを主体とし、礫岩を少量伴う。C層は礫岩および砂岩、D層は下位からデイサイト質火山砕屑岩および砂岩泥岩互層からなる。A層とB層との境界は野外で確認できないが、岩相分布に基づくと、B層はA層の上位に分布するが、これらの境界面は高角であることが想定される場合もある。A層に含まれる泥質砂岩層からは植物化石が産出した。また、A層の塊状砂岩層からは二枚貝および巻貝が産出し、現生種との比較ではこの化石群集は浅海かつ温暖な気候を示すと考えられる。岩相に基づけば、A層、B層およびC層はそれぞれ北但層群の高柳層、八鹿層および豊岡層に、D層は村岡層に対比されうる。

 

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NO.8
<研究題目>



堆積相解析に基づいた浜坂?但馬御火浦分布する新第三紀砕屑岩類・火山岩類の形成メカニズム解明
 

<研究者>
郡山鈴夏
茨城大学理学部
 

<要  旨>
山陰海岸ジオパークに広く分布する北但層群は日本海拡大開始?形成後までを記録した一連の地層からなり、日本海形成期の水中火山活動の実態や日本列島形成過程を解明するうえで非常に重要な地層群である。従来、北但層群に関する地質学的研究は、一部を除いて層序学的なものに限られ(弘原海ほか、1966など)、堆積環境や火山活動については十分に議論されていなかった。そこで、兵庫県香美町香住海岸?新温泉町三尾に分布する北但層群を対象に堆積相解析を行った。
この地域の北但層群の層序を見ると、最下位に陸上に噴出した玄武岩?安山岩質の塊状溶岩および自破砕溶岩、その上位に湖成層、その上位に水中堆積した塊状溶岩、ハイアロクラスタイト等が重なる。これらはこの地域が概ね陸上環境から水中環境へ遷移していったことを示唆しており、陸上環境・水中環境いずれも火山活動が起こっていた。本研究ではおおよその火山体を復元を行った。
文献:弘原海清他、1966、松下進教授記念論文集、105-116.

 

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NO.9
<研究題目>



地生態学的視点による磯(海岸域)における地形地質と生物多様性の研究(その3)
 

<研究者>
森野善広①、北村格一②
① パシフィックコンサルタンツ株式会社
② 株式会社 地域環境計画
 

<要  旨>
海岸の磯(岩場)に生息する生き物がどのような空間を利用して生活しているのかを、地質との関連性という視点で調査しました。調査場所は丹後半島の海岸線。海岸には凝灰角礫岩、礫岩、砂岩、泥岩、火山岩類(安山岩、流紋岩)が分布しています(花崗岩は兵庫県竹野海岸を調査した)。
磯の岩場には、固着して生活するもの(イソギンチャク、カメノテ、イガイ類、藻類など)や、ゆっくりと移動するもの(ウニ、ヒトデ、巻貝など)、泳いだり動き回るもの(魚、カニなど)など多種多様な生き物が生息しています。
生き物は生活する場所として岩場を利用しています。それは小さな窪みであったり、割れ目のような溝であったり、平らな面であったりします。このような生活する場所は、そこに分布する地質(地質構造や割れ目、岩石の硬さ)と関係があることがわかりました。凝灰角礫岩は波によって不規則に削られやすく凸凹が多い岩場となります。このため、多様な生き物が生活する場所となっています(花崗岩も比較的生き物が多く生息している)。一方、砂岩や泥岩は層理面に沿った平滑な面をなし窪みは少ないこと、安山岩は節理面に沿った平滑な面をなし窪みは少ないこと、礫岩は硬くて窪みはなく凸状の面をつくることから、生息する生物の種類は少ないことがわかりました。このように、岩場の生き物は地質の違いにより形成された空間を、生息の場所として利用しています。
さらに、京丹後市域の海岸線の地質分布を調べました。花崗岩は分布していませんが、堆積岩(礫岩、砂岩、泥岩、凝灰岩)、凝灰角礫岩、火山岩(流紋岩、安山岩)などが分布しており、この多様な地質があることが、磯の生き物の多様性につながっているものと考えられます。
また、京丹後市丹後町袖志地区周辺の地域資源調査を行いました。この地区は棚田で有名な海岸段丘地形が広がっており、そこでの地形地質を利用して、人々の暮らしがあることがわかりました。それらをもとにツーリズムメニューを検討しました。

 

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NO.10
<研究題目>



鳥取砂丘における湧水・オアシスの発生消滅メカニズムと地下水動態の解明
 

<研究者>
齊藤忠臣①、箆津杏奈②、西本貴之①、猪迫耕二①、河合隆行③
① 鳥取大学農学部
② 鳥取大学農学研究科
③ 新潟大学災害・復興科学研究所
 

<要  旨>
山陰海岸ジオパーク内に位置する鳥取砂丘には、1年中ほぼ枯れることなく湧き出る湧水と、その湧水が流れ込み年間で発生・消滅を繰り返すオアシスがあり、砂丘の自然景観を形成する因子として貴重な役割を担っている。この湧水・オアシスの発生消滅メカニズムは古くからの学術的関心であり、これまでも調査研究がされてきたが、特に湧水の水源や砂丘の地下水動態については未解明の謎が多く残されている。本調査研究では、水文・地球物理学的調査を通じて湧水・オアシスの発生消滅メカニズムと地下水動態を明らかとする事を目的としている。
本研究では、①オアシスおよびその周辺でのオアシス水位・地下水位調査、②湧水点及びその上流域における広域地下水分布・地下構造調査、③水の安定同位体分析による湧水の水源調査の3種類の調査を実施した。結果より、オアシスは冬季に長期的に形成され(オアシス連続期)、連続期以外は発生・消滅を繰り返していること、またこのオアシス連続期が発生する最大の要因は秋から冬にかけての地下水位の上昇にあること、この地下水位の上昇には夏季の大規模降水と冬季にかけての蒸発量の低下が関与している可能性があることが明らかとなった。また、地中レーダー探査の結果より砂丘内の広域地下水位分布と地下水の分水嶺の存在が明らかとなり、砂丘内の限られた範囲に降った降水がオアシス形成に影響を与えていることが分かった。

 

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【平成25年度山陰海岸ジオパーク学術研究奨励事業 採択事業一覧】

 


No.

事         業
 
1
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6
7
8


NO.1
<研究題目>



鳥取県湖山池における湖水塩分の長期的変動の復元
 

<研究者>

九州大学環境変動研究グループ

福本 侑①、石川 智②、佐藤善輝③、野口真利江①、後藤大智①、大塚雅史①、カンイジン①、鹿島 薫①

①:九州大学理学研究院

②:九州大学理学研究院、現鳥取大学乾燥地研究センター

③:九州大学理学研究院、現日本原子力研究開発機構

 

<要  旨>

湖山池では、湖底堆積物および湖南岸の高住低地を対象として過去1万年間の環境変遷を復元した。高住低地では縄文海進に伴って砂質干潟が形成されたが、7300年前以前に海退に伴って淡水湿地へ変化し、その後5200年前頃までに陸域となったことが明らかになった。高住低地北部では4600年前頃まで汽水湖沼の環境が継続し、その後淡水湖沼が形成された。

湖底堆積物から産出する珪藻化石では淡水棲珪藻が大部分を占めており、過去1300年間は淡水湖沼の環境が継続したことが示唆された。ただし、産出頻度は低いものの淡水?汽水生や汽水?海水生珪藻が産出することから、海水の影響が僅かながら及んでいたと考えられる。珪藻帯?では淡水?汽水生種のThalassiosira bramaptraeの産出頻度が有意に高いことから、珪藻帯?以前に比べて塩分濃度が高かったと考えられ、得られた年代値から1000年前頃に湖水の塩分濃度が低下した可能性がある。その後、珪藻帯?では河川の堆積物から産出するDiploneis sp.が増加することから河川水が湖内により長期間滞在するようになったこと、流出河川である湖山川河口部に設けられた水門の影響を反映している可能性がある。

 

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NO.2
<研究題目>



郷村断層の深部地下構造の解明
 

<研究者>

小田佑介 ①、大内悠平② 、平松日祥② 、山口覚 ①

① :大阪市立大学大学院理学研究科生物地球系専攻

② :大阪市立大学理学部地球学科

 

<要  旨>

山陰海岸ジオパークに登録されている郷村断層は、1927年に発生した北丹後地震に伴って地表に現れました。これまで、トレンチ調査などによって地表付近の構造は明らかにされてきました。私たちは、地表から直接には知ることのできない地下深部の構造を知るために、電気比抵抗(電気の通りにくさ)に着目し、地下の電気比抵抗の分布を調べました。郷村断層を横切る長さ約5kmの測線の上の12点で地磁気地電流観測を行いました。

断層とほぼ直交する深さ1.5km付近までの断面を推定し、郷村断層の下に幅約1kmで深さ1.5km付近まで伸びる低比抵抗領域(電気が通りやすい領域)を発見しました。このような低比抵抗領域は、地震に伴う断層運動によって岩盤が破壊されたところに地下水が浸入することによって、周囲よりも電気抵抗が低くなったと考えられます。すなわち、この低比抵抗領域が、郷村断層の地下構造を示していると解釈しました。

 

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NO.3
<研究題目>



鳥取砂丘形成年代に寄与する大山倉吉軽石の高精度年代決定
 

<研究者>

小畑直也 ①、金原裕美子 ①/①:株式会社古環境研究所(研究協力者)

下岡順直 ② 、岡田昭明③

② :京都大学地球熱研究施設

③ :鳥取環境大学

 

<要  旨>
鳥取砂丘でも年代指標の役割を果たし、東北地方南部にまで分布する広域テフラとして知られる大山倉吉軽石(DKP)の年代推定を、ルミネッセンス年代測定法と花粉分析、植物珪酸体分析によって試みた。試料は給源に近い倉吉市内の露頭から採取した。植物珪酸体分析の結果は、寒冷な気候の指標となるササ属が多くを占めたが、温暖の指標となるメダケ属もわずかに検出された。花粉分析からは落葉広葉樹がやや優先する結果が得られ、植物珪酸体分析の結果と併せて、DKP堆積時は最終氷期の最寒冷期のような極端な寒冷期ではなく、温帯の最上部のような多雪な気候が示唆された。これは、従来から想定されている環境とも矛盾しない。また、DKPを覆う堆積物の光ルミネッセンス年代は43,200±1,600年前となり、DKPの上限年代をおさえることができた。テフラだけでなく、隣接するローム層の年代測定例追加していくことが必要である。

 

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NO.4
<研究題目>



地生態学的視点による磯(海岸域)における地形地質と生物多様性の研究(その2)
 

<研究者>

田村 友紀夫①、森野 善広①、北村 格一②

①:パシフィックコンサルタンツ株式会社

② :株式会社 地域環境計画

 

<要  旨>

海岸の磯(岩場)に生息する生き物がどのような空間を利用して生活しているのかを、地質との関連性という視点で調査しました。調査場所は丹後半島の海岸線。海岸には凝灰角礫岩、礫岩、砂岩、泥岩、火山岩類(安山岩、流紋岩)が分布しています(花崗岩は兵庫県竹野海岸を調査した)。

磯の岩場には、固着して生活するもの(イソギンチャク、カメノテ、イガイ類、藻類など)や、ゆっくりと移動するもの(ウニ、ヒトデ、巻貝など)、泳いだり動き回るもの(魚、カニなど)など多種多様な生き物が生息しています。

生き物は生活する場所として岩場を利用しています。それは小さな窪みであったり、割れ目のような溝であったり、平らな面であったりします。このような生活する場所は、そこに分布する地質(地質構造や割れ目、岩石の硬さ)と関係があることがわかりました。凝灰角礫岩は波によって不規則に削られやすく凸凹が多い岩場となります。このため、多様な生き物が生活する場所となっています(花崗岩も比較的生き物が多く生息している)。一方、砂岩や泥岩は層理面に沿った平滑な面をなし窪みは少ないこと、安山岩は摂理面に沿った平滑な面をなし窪みは少ないこと、礫岩は硬くて窪みはなく凸状の面をつくることから、生物の種類は少ないことがわかりました。

このように、岩場の生き物は地質の違いにより形成された空間を、生息の場所として利用しています。多様な地質があることが、磯の生き物の多様性につながっています。

 

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NO.5
<研究題目>



ペルム紀地質体の起源とその被覆層の層序の解明に向けて
 

<研究者>

菅森義晃

大阪市立大学大学院理学研究科地球学教室

 

<要  旨>

兵庫県豊岡市但東町に分布する古生代ペルム紀およびその周辺に分布する新第三紀の地層の研究を行い、研究地域の地質がどのようになっているかを調べた。

ペルム紀の地層は黒色の泥岩や灰色の凝灰岩を主体とし、玄武岩質?安山岩質の火山岩(緑色岩)や、チャートと呼ばれるガラスと同じ成分からなる堆積岩をまれに含んでいる。泥岩からペルム紀中期の放散虫化石が産出したことから、泥岩の堆積年代はペルム紀中期である。このことは、本地域のペルム紀の地層が志高帯の下見谷層に対比されることを支持するとともに、これらの地層の形成過程を考察する上で有用なデータになりうる。

新第三紀の地層は北但層群と呼ばれ、ペルム紀の地層を不整合に覆っている。研究地域の北但層群は礫岩、砂岩、玄武岩質安山岩、デイサイトなどからなる。砂岩からは二枚貝および巻貝の化石が産出した。岩相に基づけば、研究地域の北但層群は高柳層や八鹿層、豊岡層、さらには村岡層に対比されうる地層を含んでいる。

 

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NO.6
<研究題目>



兵庫県北部但馬御火浦?香住海岸に分布する中新世火山砕屑岩類
 

<研究者>
郡山鈴夏①
①:茨城大学理学部理学科地球環境科学コース
 

<要  旨>

山陰海岸ジオパークのジオサイトのひとつである兵庫県北部但馬御火浦?香住海岸には、中新統の火山岩類・火山砕屑岩類が広く分布している。これらはジオパークのストーリー中の「日本海形成の時代」における日本海拡大前後の地質現象を記録している、地質学的に重要な地層である。しかし、この地域では古典的な層序学的研究がなされているのみで、近代的な手法(堆積相解析)による研究はまったくなされていなかった。そのためジオパークのストーリーを組み立てるうえで役に立つような、堆積環境や古火山体・火山活動の具体的で説得力のある復元はなされていなかった。本研究は火山岩類・火山岩砕屑岩類の堆積相解析に基づいて、日本海拡大前後における火山や堆積環境の復元を行うことを目的とし、研究を展開した。
今回の調査において兵庫県新温泉町三尾地区周辺の豊岡層中に以下の堆積物を認定した。(1)原地性ハイアロクラスタイトおよび再堆積ハイアロクラスタイト、(2)偽枕状溶岩、(3)ペペライト、(4)給源岩脈、(5)湖沼堆積物。以上を総合して、本地域の環境が湖沼から、水底火山活動が起こる環境へと変化したことが明らかになった。

 

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NO.7
<研究題目>



鳥取砂丘にみられる「砂丘列」と「メガリップル」の成因に関する研究

 

<研究者>
梅本愛・西山貴仁・井上裕貴・宇枝亜里沙・中嶋幸・渡壁卓磨・小玉芳敬
 

<要  旨>
鳥取砂丘ではこれまで3列の横列砂丘(第1?第3砂丘列)が知られている。これら砂丘列の成因はいまだ充分にはわかっていない。千代川河口部右岸側には第0砂丘列と呼ぶにふさわしい小型の砂丘列が誕生しつつある。本研究では第0砂丘列を精査した。5本の縦断測量でいずれもバーム、後浜、Washover Terrace,第0砂丘列の変化が捉えられ、内陸側に比高4-5mの滑落斜面を有する横列砂丘であることが明確になった。また地下地質構造からは、海抜2m弱まで海浜堆積物があり、その上位に第0砂丘列を構成する風成砂が堆積している実態が明らかになった。海抜2mは、現在の後浜限界にあたる。空中写真判読によると、1968年には元の第0砂丘列が形成されていた。しかし千代川の河口付け替え工事で一旦消滅し、1983年以降再び形成されたことが判明した。
また鳥取砂丘の火山灰露出地周辺でメガリップルが観察された。風洞実験と野外調査により通常のリップルとの形態的特徴の差違を明らかにした。

 

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NO.8
<研究題目>



山陰海岸ジオパークの経済効果の推計に関する研究
 

<研究者>
石澤雄一郎 ①、②
① :兵庫県立大学大学院経営学研究科博士後期課程(中小企業論)
② :一般社団法人 但馬地域経済活性化推進機構
 

<要  旨>
今回の研究では、山陰海岸ジオパークにおける経済効果について、その実態の把握と、これらに基づく分析を行い、その推計と今後の課題について考えた。経済活動のうち数値データとしては2種類(行政の施策とロゴマーク商品の販売実績)を用いた。また各地域における活動の実体を把握すべくヒアリングを行い、関係者の意見を聴いて、その課題等を明らかにした。
経済効果の推計については、兵庫県の分析ツールを活用して試算。世界認定を受けてから今日までの山陰ジオパークに関連する経済活動に対する経済効果の推計については、生産誘発額で6,424(百万円)、付加価値誘発額で約4,208(百万円)、就業者誘発数で710人、雇用者誘発数で554人との結果を得た。
また、地域におけるヒアリングにおいては、ジオパークに関する認知度の問題やこれを活用した活性化への具体的な取組への期待等、今後の在り方について、それぞれの地域での継続的な活動と、広域的な情報発信への期待が高いことが明確となった。

 

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【平成24年度山陰海岸ジオパーク学術研究奨励事業 採択事業一覧】

 

No.
事         業
 
1
2
3
4
5
6
7
8
9

NO.1
<研究題目>
丹後半島北岸に発達する海成段丘の形成にはたすデブリコントロールの役割
 
<氏名・所属>
渡壁卓磨1、井上裕貴2、西山貴仁2、小玉芳敬2/1、鳥取大学大学院地域学研究科:2、鳥取大学地域学部
 
<要  旨>
経ヶ岬?砂方にかけて海成段丘が明瞭に発達する。予備調査では、段丘面が広く発達するところで、軽石流堆積物の基盤岩を安山岩の段丘礫が覆っていた。つまり、安山岩礫(硬い礫)が軽石流堆積物(軟らかい岩石)地域に供給され、浅海底では広い海食台が発達し、それが海水と地殻の変動により相対的に隆起して、海成段丘を形成した。容易に侵食されやすい軽石流堆積物が段丘礫層で覆われることで、開析速度が遅くなり、広い段丘面が維持されてきたと考えられる。このように背後の山地から供給された礫が重要な役割をはたしたデブリコントロール地形と言える。本研究ではGISや地形図計測により、段丘面の発達状況と地質分布との対応を検討する。次に現地で段丘構成物の特徴を記載し、エコーチップ・弾性波速度などを用いて基盤岩と段丘礫層の強度試験を行う。これらを通して、デブリコントロールが海成段丘の形成にどのように影響を及ぼしたかを明らかにする。

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NO.2
<研究題目>
小型傾斜可変風洞実験装置を用いた風紋の形態特性
 
<氏名・所属>
岡部広夢1/1,鳥取大学地域学研究科
 
<要  旨>
砂丘や砂浜では、峰と谷が規則的に並んだ波長10cmほどの風紋(砂漣、wind ripple)が発達する。川内(2009)は風紋の登坂・降坂それぞれの限界進行傾斜角を明らかにした。
橘高(2010)は、限界進行傾斜角が成立するプロセスを野外における風紋の断面形態調査により考察した。岡部(2011)は傾斜角に応じた風紋の動態を風洞実験で計測して、風紋の波長が降り斜面で短く、登り斜面で長くなる要因を考察した。
本研究の目的は、小型傾斜可変型の風洞実験により、幅広い条件に応じた風紋の形態・動態を計測して、斜面に発達する風紋の特性を解明することである。
昨年の予備実験を踏まえて以下の3点を改良する。
�)風洞長を4mに延長(8月)
�)ベルトコンベアーを用いた給砂のコントロール(9月)
�)粒度組成の制御(10月)
これにより、11月に最終実験としてデジタルビデオカメラを使用した砂粒の移動様式の調査を実施し、風紋の形態・動態特性の解明に努める。

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NO.3
<研究題目>
鳥取砂丘と北条砂丘の地形と後背流域からの砂丘砂供給に関する比較研究
 
<氏名・所属>
河本 悠佑1/1、鳥取大学大学院地域学研究科
 
<要  旨>
鳥取砂丘と北条砂丘の地形の違いを明らかにし、後背流域からの砂の供給に関する比較研究を行うことで、花崗岩地帯以外からの砂の寄与率を明らかにする。特に北条砂丘においては大山からの寄与率を、鳥取砂丘では扇ノ山や三郡変成岩地域からの寄与率を考えるためのデータを得る。

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NO.4
<研究題目>
京丹後市に分布する中新統北但層群の層序と堆積環境の変化
?山陰海岸ジオパークの地質的見学素材の開発?
 
<氏名・所属>
三上禎次1/1、龍谷大学
 
<要  旨>
京丹後市の丹後町から網野町にかけては中期中新世(約1500万年前)の北但層群という地層が分布しております。この時代は日本海の拡大がほぼ終了した時代とされており、この地域の地層は、周辺での火山活動を伴いながら陸域から浅海域で砕屑物が堆積したと考えられます。しかし、実際にどこでどういった地層がみられるかや、どんな堆積環境だったかを詳しくイメージするにはまだまだわからないことが多いのが現状です。こういった堆積当時のさらなる環境復元を、フィールドワークを行うことによって地層の分布や連続性・地層の積み重なり・含有物質を調べ、それぞれの環境がわかるよう露頭に地史的な意味を与え、ジオ・ツーリズムとしての見学ポイントを開拓していくことを目指したいと思います。少しでも訪れる人たちに大地の歴史に興味を持っていただけるよう、考察していきたいと思います。

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NO.5
<研究題目>
但東町の古生代ペルム紀と新生代新第三紀の地層の正体を暴く挑戦!!
 
<氏名・所属>
菅森義晃1、2、3/1:大阪市立自然史博物館 2:本部半島ジオパーク推進協議会 3:大阪市立大学大学院理学研究科地球学教室
 
<要  旨>
兵庫県豊岡市但東町に分布するペルム紀(約3億年?2億5千万年前)の地層は日本列島形成史の中で忘れられた存在である。この地層を日本列島形成史の中に組み込むには、地層の積み重なりや地層の年代、地層の姿勢などを知る必要があるが、これらを知っている人は世界中のどこにもいない。
一方、但東町には1500万年くらい前の地層で、北但層群と呼ばれる日本海が開くような時にできたと思われている地層もある。しかし、地層の積み重なりが詳細に書かれたデータが公表されておらず、その上、地層の名前が混乱しており、山陰海岸ジオパークの同じ時期にできた地層との関係を探る上で厄介な状況にある。
そこで、これらの問題を解決し、研究地域の地史の復元につなげるために、但東町に分布するこれらの地層の野外地質調査を行って、地層の積み重なりや地層がどんな姿勢でどのように分布しているのか、さらに地層の名前をつけ、地層同士の関係を調べる研究を行う。

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NO.6
<研究題目>
地生態学的視点による磯(海岸域)における地形地質と生物多様性の研究
 
<氏名・所属>
田村友紀夫1、森野 善広1、北村格一2/1、パシフィックコンサルタンツ株式会社 2、株式会社 地域環境計画
 
<要  旨>
(目 的)
磯(海岸域)の地形地質がつくりだす生物の生息空間と生息する生物との関係から、その多様性を明らかにし、山陰海岸における特性を把握するとともに、ジオパークとして「大地の恵み」を理解する基礎資料として環境教育材料やツーリズムメニューとして展開する。
(手 法)
研究対象地域は、京丹後市網野町掛津及びその周辺(琴引浜、砂岩、泥岩、凝灰角礫岩、礫岩、火山岩等が分布する)とする。
調査日程は、生物の活動の盛んな夏季と藻類の付着する早春季とする。
研究内容を以下に示す。
(1)生物生息空間の形状把握
岩場における風化浸食による表面形態の特徴を地質別に整理し、生物生息空間としての形態を地質的な要因から明らかにする。
(2)磯の生物分布調査
その空間を利用している岩場に生息する生物(固着動物、付着藻類、甲殻類など)の分布をコドラート法(50×50cm)により定量的、定性的に把握する。
(3)地質と生物多様性の検討
地質の違いによる風化浸食形態と、それを生息空間として利用している生物との関連性を検討。
(4)環境教育、ツーリズムメニュー
ジオパークとしての観点から、地質と生物多様性について評価し、環境教育教材として、あるいはツーリズムメニューとしての可能性を検討する。

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NO.7
<研究題目>
1925年但馬地震における京都帝国大学地質鉱物学教室による
現地調査に関する一次資料を元にした但馬地震の再検
 
<氏名・所属>
服部健太郎1/1:京都大学大学院理学研究科
 
<要  旨>
1925年5月23日午前11時10分頃兵庫県北部で発生した但馬地震は豊岡、城崎など円山川流域を中心に大きな被害をもたらした。この地震を受け、京都帝国大学理学部地質学鉱物学教室は小川琢治教授指揮の下、三班に分かれて5月26日より現地調査を行った。調査範囲は豊岡、城崎、玄武洞、出石、竹野、久美浜、峰山など、兵庫県・京都府北部の幅広い地域にわたっていた。この調査で第三班を指揮した槇山次郎助教授自筆のフィールドノートを始めとする一次資料が、京都大学理学部の図書館に保存されていた。これらの資料には、地震の原因とされた円山川河口付近の田結断層や、久美浜湾における地盤沈下による沈水などの地形変化が詳細に記録されている。但馬地震に関する研究は地震発生直後を除き、現在に至るまでまったく行われていない。本研究では但馬地震に伴う地形変化の位置及び規模の推定を目的とし、一次資料の内容を精査した上で現地調査を行う。

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NO.8
<研究題目>
北但馬・北丹後両地震における久美浜湾周辺の被害と発生要因
 
<氏名・所属>
大邑潤三1/1、佛教大学文学研究科
 
<要  旨>
1925年の北但馬地震および1927年の北丹後地震における久美浜湾周辺の被害とその発生要因について分析する。大字単位の住宅倒壊戸数の記録をもとに被害の大きい地域を抽出し、地形・地質の視点からその原因を明らかにする。久美浜湾周辺地域は、わずか2年の間に発生した2つの地震で2回被災しており、両地震による被害の比較が可能である。同時期、同地域の木造住宅倒壊率という同一の指標で地震被害を分析することにより、地形・地質の影響を考察しやすい。久美浜湾周辺の被害は地形・地質的要因に強く影響されていると考えられ、2度の地震の被害発生地域は一致すると思われる。

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NO.9
<研究題目>
神鍋スコリア丘の噴火活動年代決定:複数の高精度理化学的年代測定による信頼度向上
 
<氏名・所属>
下岡順直1、齋藤武士2、山本順司3、三好雅也4、石橋秀巳5
協力者:早田 勉6、三好まどか7
1,京都大学・地球熱学研究施設、2,信州大学、3,北海道大学総合博物館、4,福井大学、5,静岡大学、6,火山灰考古学研究所、7,東京大学
 
<要  旨>
本研究では、神鍋スコリア丘の噴火活動年代を高確度に求めることで、当該地域の最新の噴火活動年代を決定し、火山フロント位置の議論について年代学的に推定を行う。
平成23年度山陰海岸ジオパーク学術研究では、神鍋スコリア丘の噴火活動年代がこれまで考えられてきた1万年前前後ではなく、2万年前よりも古いことが明らかになった。そこで、平成24年度の研究では、神鍋スコリア丘の噴火活動にともなう溶岩流の古地磁気測定を行い、より高精度な地磁気データを取得する。地磁気データと平成23年度に得られた光ルミネッセンス(OSL)年代や火山灰層序データの比較を行い、神鍋スコリア丘の高精度で高確度な噴火活動年代を決定する。さらに、火山灰分析を再度実施し、約1万9千年前に噴出した三瓶浮布火山灰を神鍋地域で検出することにより、周辺地域との年代学的相関について検証する。

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