山陰海岸ジオパーク
児童研究作品コンテスト審査結果
~入賞作品の発表(令和5年度)~
山陰海岸ジオパーク推進協議会では、山陰海岸ジオパークエリアの全小学生を対象に、同エリア内の地形・地質、動植物、 歴史・文化、産業・観光等に関する研究作品を募集し、コンテストを開催しています。
令和5年度は32点の応募作品があり、審査の結果19作品が入賞作品に選ばれました。入賞された児童の皆様、おめでとうございます。また、関係者の皆様にも厚く御礼申し上げます。
1 選考結果
入賞作品19点(最優秀賞3点、優秀賞4点、優良賞6点、ユニーク賞3点、努力賞3点)
最優秀賞
砂丘らんまんかんさつ日記
~砂丘植物をしらべて~
作者:市谷 啓悟 さん
(鳥取市/中ノ郷小学校3年)
講 評
鳥取砂丘の植物は、多くの人が夏休みの自由研究で調べていますが、生えている場所を具体的に4つに分けて調べてあり感心しました。また、植物の写真を撮って、生えていた場所を番号で示してまとめてあり、とてもわかりやすかったです。さらに、観察して疑問に思ったことを調べてあり、研究の内容がより深まりました。植物がそれぞれ適した環境の場所で、工夫しながら生きていることに気づくことができたのはすばらしいです。鳥取砂丘の除草作業に参加し、砂丘の保全につなげられたことも大変よかったです。
岩絵の具の色を調べてみよう
作者:萬 希良里 さん
(新温泉町/温泉小学校5年)
講 評
昨年度の研究で岩絵の具を作り、なぜこのような色が出るのかさらに研究を深めようと努力した姿が見られます。岩石の薄片を作るのはとても大変ですが、実際にチャレンジして作ることができたのはよかったですね。色を調べるのはとても大変で、なぜ色が見えるのか、色とは何かを調べてみると研究の仕方が変わったかもしれません。今回は、大変難しい内容にチャレンジしたことと、いろいろな施設や人を訪ね、いろいろな顕微鏡を使用して、謎を解き明かそうと努力したことを評価しました。
マイクロプラスチックとかに
優秀賞
ジオパークかんなべおすすめマップ
作者:西亀 こはる さん
(岩美町/岩美南小学校1年)
講 評
山陰海岸ジオパークエリアの神鍋エリアと、自分の住んでいる岩美町とくらべることができました。海と山では温度が違い、神鍋はすずしいことに気づくことができましたね。山陰海岸ジオパークのエリアはとても広く、いろいろな場所があります。自分の地域にはない素敵な場所を見つけられたことはとてもよかったです。これからも自分の住んでいるところと、ほかの地域の違いをいろいろ調べてみるとよい研究ができると思います。
海をきれいにするために ~海ごみ調べ~
作者:佐々木 莉乃 さん
(鳥取市/湖山西小学校3年)
講 評
きれいだと思って行った海岸で思わずゴミの多さにおどろいて、それをきっかけに海岸ゴミがどこから来たのか調べてくれました。実際にゴミを拾い写真にとって記録しゴミの種類を分けてみると、川の上流の山や町、漁船や外国からのゴミもまじっていて海岸の近くの人だけの問題ではないことがわかります。いろいろな会社でのゴミを減らす取り組みも紹介してくれました。「海をきれいにしようすごろく」はよくできています。みんなですごろくをやって海ゴミについて関心をもってもらいたいですね。
ついに発見!! 砂丘わさび
作者:森田 壮祐 さん
(鳥取市/遷喬小学校4年)
講 評
鳥取砂丘とわさびとは結びつかなかったですが、どうして砂丘でわさびが採れるのかをわかりやすく説明してくれました。特に砂丘の中に泉がわき出ている理由を大学の先生をはじめ、いろいろな研究機関で調べ、疑問点を解決していこうとする姿勢は素晴らしいです。わさびの生育する条件を調べ、最終的にわさびを採取して、自らわさびだと確認できたことは大きな成果でした。これからも砂丘の生物について研究を続けていってください。
観光名所「鳥取砂丘」になるまで
優良賞
岩みとかんなべのさんさくコース
作者:西亀 春輝 さん
(岩美町/岩美南小学校2年)
講 評
山陰海岸ジオパークを楽しめるようなコースを考えられていますね。岩美と神鍋の2か所を調べているところも良いです。実際にその場所に行って写真を撮ったり、気が付いたことを書いたりしているので、これを見た人の中にはその場所に行ってみたいなと思う方がおられると思います。来年もぜひ、山陰海岸ジオパークのほかのコースも訪れて自由研究にしてみてください。
しち山の生きものとしょくぶつ
作者:澤 哲平 さん
(岩美町/岩美西小学校2年)
講 評
澤さんが虫に強い興味を持っていること、時間をかけて頑張って調べたことがよく伝わってくる自由研究でした。生き物を見つけるために駟馳山を歩き回り、写真を撮り、調べ・・・たくさん時間を使って図鑑としてまとめられているのが良いです。鳥取砂丘やその周辺には海辺にしか見られない生き物がいるので、来年はぜひ砂浜も見られてはいかがでしょう。春や秋に調べるのも面白いかもしれません。
鳥取砂丘の温度
作者:宮脇 さら良 さん
(鳥取市/大正小学校3年)
講 評
鳥取砂丘のオアシスと水路の水温について細かく調べられていて、努力を積み重ねたことがよく伝わってきました。調べながら新たに気づいたことも書かれていて、次につながる自由研究になっています。ぜひ来年度も、新たに気が付いた不思議なことについて調べてみてください。調べたこと(=結果)と結果を見てわかったこと(=考察)が一緒に書かれている部分があったので、分けて書くとさらに良いと思います。
こんなにあった! 日本全国のジオパーク
作者:蓜島 理来 さん
(鳥取市/用瀬小学校3年)
講 評
ちびっ子砂丘探検隊に参加したことで、ジオパークに興味を持ち、日本全国のジオパークについて、そのテーマまで詳しく調べています。その中で、ジオパークに認定される条件が、自然豊かなだけではないことをわかりやすくまとめています。また、全国のジオパークが、どのような自然によるものかをまとめ、その結果と、日本が四方を海に囲まれた島国であることと関連づけているなど、科学的な見方でまとめられている作品です。
SUPで山陰海岸ジオパークの魅力を新・発・見!
作者:木谷 京介 さん
(豊岡市/港小学校4年)
講 評
SUPに乗って海岸を海から眺めたらきっと素晴らしい景色が見られるでしょうね。海岸の岩の様子を間近に見たり、ひみつの絶景ビーチに行くことはSUPならではの楽しみ方です。今回は海から見た海食洞や海岸の岩の様子を写真にとり説明してくれました。特に海食洞の写真は岩を削る波の力の大きさを知ることができました。多くの人がSUPに乗って海からの山陰海岸の絶景をながめ感動をあじわってほしいと思います。
スナガニの研究(3年目)
ユニーク賞
但馬牛の出産かんさつ
作者:吉谷 虎 さん
(豊岡市/日高小学校4年)
講 評
この山陰海岸ジオパークの地形や気候が育んできた、但馬牛の出産の様子を、細かく観察し、まとめています。その中で、母牛が子牛の胎膜の処理から、胎盤・臍帯の処理まで、母牛が本能で出産処理をする様子までしかっりと観察しており、出産の様子を科学的に捉えています。また、目の前で生まれた牛が、29カ月後に出荷される事実から、「食」に対する感謝の気持ちへ続けており、多面的な角度からまとめられている作品です。
海水から塩をとって海水塩おにぎりを作る
作者:奥谷 大和 さん
(岩美町/岩美北小学校5年)
講 評
身近な羽尾海岸の海水を煮詰め、ろ過する作業を、身近な鍋やコーヒードリッパーなどを用いて行っています。また、その作業を繰り返して、より純度の高い塩を取り出しています。さらに、ろ過によってペーパーフィルターに残った物質がなんであるか調べようとするなど、物事への探求心の高さが感じられます。そして、最後にその塩でおにぎりを握り、その究極のおにぎりを食べることで、塩味を確認している大変ユニークな作品です。
小畑古墳に辿り着くまで
努力賞
鳥取砂丘の紹介
作者:濱口 真央 さん
(岩美町/岩美西小学校3年)
講 評
気になっていた風紋が風の力でできることを見つけ出すまで、調べるだけでなく、鳥取砂丘ビジターセンターの先生に話を聞いたり、自分で歩いてみたりと重ねた努力が素晴らしいです。自分で歩いているからこそ、鳥取砂丘のどこにどのような風紋があったかまとめられており、分かりやすかったです。今後は風紋などをいっぱい見つけたいようなので、どんな風速や風向の時にどのような風紋ができるのか記録できるとより鳥取砂丘に詳しくなれますよ。
兵庫の自まん氷ノ山 ~登ってみて分かったこと~
作者:田中 綾花 さん
(新温泉町/浜坂東小学校4年)
講 評
初めての本格的な登山にもかかわらず、自分の力で登山し、最後まで安全に下山した努力が素晴らしいです。授業で学んだことを自分自身が体験することで深い学びに近づけたことでしょう。登山中に見つけた植物、きのこ、生き物等の記録はもちろんですが、氷ノ山から見える山陰海岸ジオパークエリアの記録がうれしかったです。今後は研究内容が、さらに山陰海岸ジオパークに近づいていくことを期待しています。
身近な砂浜について
作者:寺川 寧々 さん
(香美町/柴山小学校5年)
講 評
三田浜海水浴場、香住海水浴場、浦上浜、佐津海水浴場、安木浜と5つもの浜から砂を集める努力が素晴らしいです。さらに、集めた砂を比べることで、色、大きさ等の違いを見つけ出したり、浜ごとに砂を管理している点にも感心しました。砂の大きさが異なったのはなぜでしょうか?理由は天気の関係でしょうか?立地条件でしょうか?調べたからこそ発見できる新たな疑問にさらなる努力を続けてくれることを期待しています。
2 募集期間
2023(令和5)年9月1日(金)から10月6日(金)まで
3 応募点数
32点
4 審査委員会
下記のとおり審査委員会を開催し、入賞作品を決定しました。
日 時 | 2023(令和5)年10月24日(火) 14時~16時 |
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場 所 | 香住B&G海洋センター(兵庫県美方郡香美町香住区境1125) |
委 員 | 山陰海岸ジオパーク推進協議会 教育部会員※ |
審査委員長 | 谷本 勇(山陰海岸ジオパーク館 館長) |
※教育部会=ジオパーク活動を通じた科学教育・郷土学習・体験学習の展開について、協議・検討を行う部会。構成は、教育関係者や有識者等。 |
5 作品巡回展
下記の日程で、入賞作品の展示を行いました。
施設名 | 展示作品 | 展示期間 |
新温泉町 山陰海岸ジオパーク館 (兵庫県美方郡新温泉町芦屋水尻) |
全応募作品 32点 | 2023(令和5)年11月15日(水)~2023(令和5)年12月10日(日) |
鳥取砂丘ビジターセンター (鳥取県鳥取市福部町湯山2164-971) |
入賞作品 19点 | 2023(令和5)年12月12日(火)~2024(令和6)年1月3日(水) |
ら・ぽーと(京丹後市網野庁舎) (京都府京丹後市網野町網野385-1) |
入賞作品 19点 | 2024(令和6)年1月5日(金)~2024(令和6)年1月21日(日) |
6 問い合わせ先
山陰海岸ジオパーク推進協議会
〒668-0025 兵庫県豊岡市幸町7-11(兵庫県豊岡総合庁舎内) TEL.0796-26-3783
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