山陰海岸ジオパーク
児童研究作品コンテスト審査結果
~入賞作品の発表(令和2年度)~
山陰海岸ジオパーク推進協議会では、山陰海岸ジオパークエリアを所管する 小学校に在籍する全児童を対象に、同エリア内の地形・地質、動植物、 歴史・文化、産業・観光等に関する研究作品を募集し、コンテストを開催しています。
令和2年度は、35点の応募作品があり、厳正なる審査の結果、18作品が選ばれました。 入賞者の皆様、おめでとうございます。また、ご応募いただいた皆様に厚く御礼申し上げます。
1 選考結果
入賞作品18点(最優秀賞2点、優秀賞5点、優良賞6点、ユニーク賞2点、努力賞3点)
最優秀賞
浜坂海岸の玉ずいの不思議にせまる
-去年のジオパーク研究の継続-
作者:長尾 桃奈 さん
(鳥取市/国立鳥取大学附属小学校6年)
講 評
昨年度の研究から、新たな課題を見いだし、研究されています。浜坂海岸で見られる玉ずいのでき方について、これまでの知識を基に仮説を立てている点、玉ずいの成分と温泉の成分との類似点に着目し、妥当な考えをつくりだしている点がすばらしいです。仮説を立て、資料を収集し、現地に行って実際に調査・分析するという研究の流れが確立されており、問題解決のお手本のような作品です。
身近な柱状節理
作者:荒川 煌大 さん
(豊岡市/田鶴野小学校6年)
講 評
学習したことを基に、竹野海岸の柱状節理に注目し、実際につくってみるという発想が興味深いです。10時間という長時間の実験から、自然の事物ができるまでの歴史や偉大さを感じ、そのことが伝えられています。様々な資料を調べ、柱状節理のでき方やジオパーク内の柱状節理の特徴についてもまとめられています。実験や観察を通じて、身近な自然やその秩序、規則性について考えられている点がすばらしい作品です。
優秀賞
いろいろな海がんのすなのちがい
作者:松井 里樹 さん
(岩美町/岩美西小学校2年)
講 評
砂浜の様子に違いがあるところに着目し、抱いた疑問を追求したところが良いです。砂の実物や写真もあり、わかりやすくまとめられています。砂粒の色や大きさ、石の色との関係を丁寧に観察しているところが良いです。海岸によって砂粒の色が違う理由にまで着目すると、さらに面白い発見があると思うので、今後もぜひ調べてみてください。
すなのふしぎ
作者:萬 希良里 さん
(新温泉町/温泉小学校2年)
講 評
砂は生物ではないため、砂の色や特徴は見過ごされがちだと思いますが、そんな砂に着目し、違いを調べる着眼点がよいです。顕微鏡を用いたことで砂粒にも白いものから黒いものまでたくさんあり、浜によって砂粒の特徴にも違いがあることに気づくことができました。これをきっかけに、ほかにも観察してみてください。
カニのすみかをのぞいてみよう!
作者:山下 遼恭さん
(鳥取市/逢坂小学校3年)
講 評
昨年観察されたカニの巣穴をそのままにせず、疑問をもって新たに調べられたことが良いです。穴の位置と浜辺からの距離も図として表示されていて、わかりやすくなっています。カニの巣穴に石膏を流して、巣穴の形状と大きさを観察する発想も良いです。これからも疑問に思ったことをたくさん調べてみてください。
海岸の生き物たち
作者:稲垣 翔也 さん
(豊岡市/田鶴野小学校3年)
講 評
香住海岸付近に生息する生物の観察を純粋に楽しんでいる様子が伝わってきました。多くの生物を実際に観察し、記録に残すとともに生物について調べているところが良いです。調べた方法と結果が分かれていると、さらに良くなると思います。昔より生物が減っている気がするとのことですが、具体的にどんな変化があったのか、調べてみてください。
ジオパーク。岩美町のある【??山】物語
作者:澤 玲温 さん
(岩美町/岩美西小学校5年)
講 評
地元にある「駟馳山」について、名前の由来、ジオパークとの関係、歴史上の人物とのつながりなど、様々な資料を活用して、詳しく丁寧にまとめられています。地元の人々の努力によって守られてきた「地域の宝」を後世に継承していくことの大切さが伝えられています。登山が可能になったら、調べたことについて自分の目で見て、体験して、分析することを通じて、さらに考えが深められることを期待しています。
優良賞
かっこいい おいしい しろいか
作者:濵田 祥八さん
(岩美町/岩美西小学校1年)
講 評
大好きなシロイカ(ケンサキイカ)について図鑑だけでなく、実際に市場や魚屋に行って取材し、詳しく調べられている点が評価されました。スルメイカと外套膜(がいとうまく)の色をくらべたり、イカの体調による色の変化について取材したり、新たな発見がたくさんありました。この研究で深まったシロイカへの愛情が家族から絶賛だったシロイカ料理の隠し味にもなっていたのではないでしょうか。イカにも様々な種類がいるので、他のイカについて調べ、シロイカと比べてみることで、もっとシロイカのことを知ることができて面白いと思います。
げんぶどうのげんぶがん
作者:細川 泰暉さん
(豊岡市/田鶴野小学校1年)
講 評
玄武岩が但馬各地でどのように使われているか、細かく調べることができています。また、玄武岩を加工されている石材店の方に話を聞き、玄武岩の特徴をまとめたところは大変すばらしいです。玄武岩の良さを伝えることができました。
駟馳山のひみつ
作者:濵田 起八 さん
(岩美町/岩美西小学校3年)
講 評
身近なところに興味を持ち、現地調査に行ってたくさんのことを調べることができました。山の自然環境についても事細かに調べることができています。これからも身近なところに「なぜ?」と思う気持ちを大切にしてください。
本当は身近なニホンウナギ
-ぜつめつきぐしゅは近所にいた!!-
作者:長尾 道展 さん
(鳥取市/湖山西小学校3年)
講 評
研究方法をきちんと考えており、仮説を立てているところは素晴らしいです。結果のまとめ方も上手で、ウナギの生態についてよく調べられています。これからも自分の好きなことをとことん追求してください。
わたしの好きな岩美町
作者:言水 玲葵 さん
(岩美町/岩美南小学校4年)
講 評
この研究を通して、研究者の中で「岩美町のいい所」に広がりが見られ、その過程や成果を工夫して上手にまとめられている点が評価されました。自分、家族、観光協会の方という3つの観点からおすすめスポットを集め、実際に現地を訪れ、体感したことを写真とコメントで地図上に丁寧に記録できていることがすばらしいです。また、それらを海エリア・山エリアというカテゴリーで整理している点にも工夫が見られました。研究の前と後とで研究者の岩美町への愛情の広がり、深まりが感じられる研究テーマ通りの作品でした。
歴史を知ろう ~陸上の城あと~
作者:松岡 七星 さん
(岩美町/岩美北小学校5年)
講 評
身近にある歴史的な人・物・事への興味・関心の高さ、知りたいことを追究しようとする向上心が作品によく表われています。わからない言葉を調べたり、協力いただいた方への感謝の気持ちを大切にしたり、研究態度もすばらしいです。今回は、残念ながら工事中のため、中嶋城には行けませんでしたが、工事が終わったら、ぜひ、足を運び、地域の歴史を自分の肌で感じてみてください。きっと、さらに地域の文化・歴史を大切に思う気持ちが深まることでしょう。
ユニーク賞
ハザードマップ作り
作者:田中 麗衣華 さん
(岩美町/岩美南小学校3年)
講 評
近年の異常気象は大きな災害をもたらしています。家族で避難場所と経路を事前に調べておくことは大切です。大雨の時と地震の時とで避難経路が違うのに気づいたのはえらいです。なぜ違うのかを考え、より安全に避難する方法をさぐってみてください。災害が起こる前に避難経路を調べておくことはとても大切なことだということがわかりました。
砂浜に落ちているゴミ
作者:黒部 将健 さん
(岩美町/岩美北小学校5年)
講 評
きれいだといわれている砂浜の様子に「本当にきれいなのか」と疑問を持って取り組んでいました。実際に調べてみるといろいろなゴミが捨てられていることがわかりました。だれもが「自分の出したゴミは持ち帰る」という当然のマナーを守って、きれいな砂浜をいつまでも残していきたいという思いが伝わってきました。
努力賞
海がんによって「さてつ」にちがいはあるのか
作者:中瀬 琴菜 さん
(岩美町/岩美西小学校2年)
講 評
海岸によって「砂鉄」に違いがあるのでしょうか?非常に面白い点に着目したと思います。研究テーマが面白いですね。集めた砂の重さと、その中からとれた砂鉄の重さを調べた所が、非常に良かったです。砂によって砂鉄の量の違いがわかりました。砂鉄をとることが楽しかったとあります。楽しく調べることができて良かったと思います。
身近な海の砂調べ
作者:松井 颯来 さん
(岩美町/岩美西小学校5年)
講 評
海岸に行ったときに、海岸によって砂の違いに気がついたことが研究のきっかけになりました。その地域の岩石の違いで砂の様子が変わるのではないかと、予想した点が非常に良かったです。また、実際にいろいろな海岸に出かけていって、ていねいに観察しました。砂の拡大写真と実物が並べて紹介してあり、砂の特徴がわかりやすかったです。
石を砂にして調べたこと
作者:稲木 柾斗 さん
(岩美町/岩美西小学校6年)
講 評
石が細かく砕けて砂になるということは知っていても、それを実際にやってみてどんな砂になるかを調べた点を評価しました。当たり前だと思っていても、実際にやってみることで気づくことがたくさんあります。顕微鏡で砂の様子を調べたことも良かったと思います。実際の砂と石を砕いて作った砂を比較すると、砂のでき方についてもっと気づくことができたかも知れません。ぜひ、比較してみてください。
2 募集期間
令和2年7月17日から令和2年9月30日まで
3 応募点数
35点
4 審査委員会
下記のとおり審査委員会を開催し、入賞作品を決定しました。
日 時 | 令和2年10月7日(水)13時30分〜16時00分まで |
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場 所 | 香住B&G海洋センター(兵庫県美方郡香美町香住区境1125) |
委 員 | 山陰海岸ジオパーク推進協議会 教育部会※ 委員等7名 |
審査委員長 | 谷本 勇(山陰海岸ジオパーク館 館長) |
※教育部会=ジオパーク活動を通じた科学教育・郷土学習・体験学習の展開について、協議・検討を行う部会。構成は、教育関係者や有識者等。 |
5 作品巡回展
下記の日程で、入賞作品の展示を行います。
施設名 | 展示作品 | 展示期間 |
新温泉町 山陰海岸ジオパーク館 (兵庫県美方郡新温泉町芦屋水尻) 展示期間中休館日:火曜日 |
全応募作品 35点 | 令和2年10月23日(金) ~令和2年12月6日(日) 9時~17時 |
山陰海岸国立公園鳥取砂丘ビジターセンター (鳥取県鳥取市福部町湯山2164-971) |
入賞作品 18点 | 令和2年12月15日(火) ~令和3年1月5日(火) 9時~17時 |
ら・ぽーと (京都府京丹後市網野町網野385-1) |
入賞作品 18点 | 令和3年1月8日(金) ~令和3年1月24日(日) 平日:8時30分~18時 土・日曜日:10時~18時 |
6 問い合わせ先
山陰海岸ジオパーク推進協議会
〒668-0025 兵庫県豊岡市幸町7-11(兵庫県豊岡総合庁舎内) TEL.0796-26-3783
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