山陰海岸ジオパーク
児童研究作品コンテスト審査結果
~入賞作品の発表(令和元年度)~
山陰海岸ジオパーク推進協議会では、山陰海岸ジオパークエリアを所管する 小学校に在籍する全児童を対象に、同エリア内の地形・地質、動植物、 歴史・文化、産業・観光等に関する研究作品を募集し、コンテストを開催しています。
令和元年度は、47点の応募作品があり、厳正なる審査の結果、18作品が選ばれました。 入賞者の皆様、おめでとうございます。また、ご応募いただいた皆様に厚く御礼申し上げます
1 選考結果
入賞作品18点(最優秀賞2点、優秀賞4点、優良賞6点、ユニーク賞3点、努力賞3点)
最優秀賞
砂のなぞを追え!
作者:西浦 航生 さん
(豊岡市/城崎小学校6年)
講 評
山陰海岸の14の海岸、瀬戸内と沖縄の海岸、小学校の砂場など21カ所の砂を採取して、砂の色や手触り、砂粒の粒度分布や鉱物の種類、日光に当てた時の温度の変化などを測り、写真、数値表、グラフに分かりやすくまとめました。多くの時間と手間をかけて集めた砂のデータからは多くの事が見えてくる貴重な研究です。去年、海水の研究で砂に興味を持ったことが研究のきっかけ。一つの研究から新たな研究が生まれます。次の研究を期待します。
道の駅をめぐって知る山陰海岸ジオパーク
作者:岸田 蒼馬 さん
(鳥取市/城北小学校6年)
講 評
山陰海岸ジオパークはとても広く、見どころや拠点施設も数多くあり全部を見て回ることは困難です。この研究はエリア内におよそ均等に散らばっている9つの道の駅を訪れて、売られている特産品がその土地の成立ちとどのようにつながっているかを研究した作品です。各地の特産の食べ物を通して、山陰海岸ジオパークにある砂丘とリアス式海岸、内陸部の高原と火山、内陸と海をつなぐ川など、山陰海岸ジオパークの全体の姿が見えてくる研究です。
優秀賞
ようこそ コウノトリ
作者:山本 結唯 さん
(岩美町/岩美南小学校3年)
講 評
コウノトリについて、その特徴や歴史をしらべるだけでなく、岩美町内で目撃したコウノトリを丁寧に調べている点が評価されました。足環の色を観察し、巣立った場所までしらべるとともに、外国からやってきたコウノトリにも気づくことができた点は、貴重な発見でした。コウノトリを見つけた周りの自然環境にも目を向けると、コウノトリのことがもっと詳しく調べられるかもしれません。継続的に調べると、面白いと思います。
いその観察
作者:小林 夏大 さん
(鳥取市/中ノ郷小学校4年)
講 評
実際に2か所の海岸で、磯の生き物の観察を行い、海岸のどのような場所に生物がいたのか、絵と写真で分かりやすくまとめることができました。1か所の海岸だけでなく、他の海岸でも調べたことで、海岸の特徴やそこに住む生き物の違いに気づくことができた点がよかったです。ほかの海岸でも調べてみると、海岸の特徴とそこにすむ生物についての関係が、もっとわかるかもしれません。これからも、研究を継続してほしいと思います。
磁力・み力いっぱい!ジオパーク内石探しツアー!!
作者:保木本 悠さん
(鳥取市/日進小学校5年)
講 評
磁石の性質をもった石について学んだことをきっかけに、山陰海岸ジオパークエリア内のいろいろな石を調べることができました。磁力の大きさを、振り子の磁石が、石にくっついている距離で数値化した点が非常に面白いと思います。また、石を調べながら、海岸や浜、川などの自然を違う視点で見ることができたことが、研究結果と同じくらい非常に良いことだと思います。
玉ずいの不思議にせまる -いろいろな形といくつかのパターン-
作者:長尾 桃奈 さん
(鳥取市/鳥取大学付属小学校5年)
講 評
自然を観察し、不思議に思ったことが研究のきっかけとなりました。自然を見る目、着眼点が非常に素晴らしいと思います。また、玉ずいの特徴をよく観察しており、さらに浜坂海岸の玉ずいを分類することができた点は、この研究の成果です。浜坂海岸の周りの地質などを調べると、今後の課題の解決につながるかもしれません。継続して研究されることを期待します。
優良賞
がもうがわのいろいろ
作者:前田 拓樹さん
(岩美町/岩美南小学校1年)
講 評
身近な存在である蒲生川に関心をもち、実際に観察し、記録に残しているところがよい。川にある石の様子が場所によって違うことや、海が近づくにつれて川幅が広くなったり、川の流れがゆっくりになったりすることなど、細かなところによく気がついている。難しかったこともあったと思うが、地図と写真を使って丁寧にまとめられていて、場所によって違いがあることが伝わるようまとめ方を工夫したことが伝わってくる。
山いんジオパーク わたしのおすすめコース
作者:津田 陽風さん
(豊岡市/田鶴野小学校3年)
講 評
香住と豊岡を巡り、おすすめコースとしてまとめられていて、地域の魅力を伝えようとする意欲が伝わってきた。おすすめコースを実際に巡り、写真に残すだけでなく感想を併せて一カ所一カ所記されており、それぞれの場所をしっかり観察したことがわかる。岩や洞窟などもよく観察されている。写真に示した場所を地図に記してわかりやすく工夫されているところがよい。
行った「かい」があったよ!ジオパークの貝がらしらべ
作者:竹田 ゆりあ さん
(鳥取市/城北小学校3年)
講 評
貝がらだけではなく、調査地点の砂浜や川の流れの様子を丁寧に観察されている。見つけた貝がらを採取し、種類を一つ一つ調べられており、本自由研究に意欲的に取り組まれた様子が伝わってくる。それぞれの海岸に落ちていた貝の特徴をとらえ考察をしているところ、地形や波との関係など様々なことと関連づけて考えられていて、意義の深い自由研究である。
因幡、但馬の麒麟獅子舞が日本遺産に認定
作者:澤 玲温 さん
(岩美町/岩美西小学校4年)
講 評
地域の伝統行事である麒麟獅子舞について、写真や新聞記事等を用いてとても丁寧にまとめられている。豊富な資料の活用によって伝統行事が「守るべき文化財」であることが説得力をもって伝えられている。今後山陰海岸ジオパークとの関連を明らかにする等まとめ方を工夫することで、さらに興味深い研究になると思われる。
なくそう! 海洋プラスチックごみ
作者:寺本 紘 さん
(岩美町/岩美南小学校4年)
講 評
岩美町自慢の海を守るために自分達にできることを具体的に考えて提案しているところが良い。自分の家で出たごみについても調べることで、より身近な問題にすることができている。今後、海をとりまく様々な現状と関係づけることで、さらに研究の広がりにも期待できる作品である。
海を漂うゴミ
作者:山下 泰知 さん
(岩美町/岩美西小学校6年)
講 評
ニュースを見て知ったことを身近な問題としてとらえているところが良い。大谷海岸の地図の中に、自分でゴミ拾いをしてわかったことがシンプルにまとめられている。ジオパークに関わる様々な活動を活用し、更に広い観点から海岸の保護・保全活動の提案等も期待できる作品である。
ユニーク賞
岩美町のとくさんぶつ
作者:中山 陽 さん
(岩美町/岩美南小学校2年)
講 評
岩美町でとれるおいしい魚やカニ、エビなどがよくわかりました。また、おいしい食べ方もしょうかいしてあり、食べるのが楽しみになります。おじいちゃんのとってこられるしんせんな海の生き物を食べられて幸せですね。
鳥取砂丘のたん生を探れ!
作者:池添 凛恋 さん
(鳥取市/浜村小学校4年)
講 評
本やパンフレットで調べるだけでなく、実さいに鳥取砂丘ビジターセンターやげん地にいって調べたので、たくさんの気づきがあり、岩から砂への変化いっそうよく伝わってきました。これからも砂丘のすばらしさを伝えてください。
丹後七姫の旅
作者:小倉 莉乃 さん
(京丹後市/大宮第一小学校5年)
講 評
地元に残る伝説や資料から丹後の有名な七人の女性がじょうずにまとめられています。また、じっさいに現地に行き銅像やお墓を調べてあり、歴史に興味を持って行ってみたくなりました。七姫のゆかりの地が地図に示してあるとなおよかったです。
努力賞
ぼくらのおおたにかいがん
作者:川勝 京志朗 さん
(岩美町/岩美西小学校1年)
講 評
大谷海岸に落ちているゴミについて調べた作品である。実際に自分で海岸に出向き、ゴミ拾いをしている様子が掲載されている。暑い中で、たくさんのゴミを集め、分別するのは大変だったことだろう。ときにはケガをすることもある作業である。美しい大谷海岸も、このような一人ひとりの努力が積み重なって保たれている。環境保全のためには何が必要なのか、基本に立ち返って考えさせられる。
海水から“しお”はどのくらいとれるのか!
作者:山根 夕鶴 さん
(岩美町/岩美西小学校3年)
講 評
岩美町の海岸4か所で海水を採取し、そこからどの程度の食塩が得られるかを検証している。海水を煮詰めて食塩を得る方法は、古来から世界中で行われてきたものである。不純物を除去し、得られる食塩の純度を高めるためには、様々な工夫と手間が必要である。手法の再検討や、データ数の増加、海水の採取場所の検討など、今後の発展に期待できる作品である。
河内川と三つの谷の地形の歴史
作者:安藤 光穂 さん
(鳥取市/鹿野学園6年)
講 評
鳥取県気高町近辺の地形について、なぜ3つの谷があるのか興味を持ち、調査している。河内川の流れが、様々な要因で数万年かけて変化したことがその理由であるが、複数の資料をもとに年表を作るなど、よくまとめられている。写真やグラフ、地図も有効に使い、工夫が見られる。調べを進める中で、実際にその場所にいって写真を撮っており、たくさんの時間と労力をかけたことがうかがえる作品である。
2 募集期間
令和元年6月27日から令和元年9月27日まで
3 応募点数
47点
4 審査委員会
下記のとおり審査委員会を開催し、入賞作品を決定しました。
日 時 | 令和元年10月16日(水)13時30分〜16時30分まで |
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場 所 | 香住B&G海洋センター(兵庫県美方郡香美町香住区境1125) |
委 員 | 山陰海岸ジオパーク推進協議会 教育部会※ 委員等9名 |
審査委員長 | 谷本 勇(山陰海岸ジオパーク館 館長) |
※教育部会=ジオパーク活動を通じた科学教育・郷土学習・体験学習の展開について、協議・検討を行う部会。構成は、教育関係者や有識者等。 |
5 作品巡回展
下記の日程で、入賞作品の展示を行います。
施設名 | 展示作品 | 展示期間 |
新温泉町 山陰海岸ジオパーク館 (兵庫県美方郡新温泉町芦屋水尻) 展示期間中休館日:火曜日 |
全応募作品 47点 | |
山陰海岸国立公園鳥取砂丘ビジターセンター (鳥取県鳥取市福部町湯山2164-971) |
入賞作品 18点 | |
ら・ぽーと (京都府京丹後市網野町網野385-1) |
入賞作品 18点 |
6 問い合わせ先
山陰海岸ジオパーク推進協議会
〒668-0025 兵庫県豊岡市幸町7-11(兵庫県豊岡総合庁舎内) TEL.0796-26-3783
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