山陰海岸ジオパーク
児童研究作品コンテスト審査結果
~入賞作品の発表(平成29年度)~
山陰海岸ジオパーク推進協議会では、山陰海岸ジオパークエリアを所管する 小学校に在籍する全児童を対象に、同エリア内の地形・地質、動植物、 歴史・文化、産業・観光等に関する研究作品を募集し、コンテストを開催しています。
平成29年度は、127点の応募作品があり、厳正なる審査の結果、12作品が選ばれました。 入賞者の皆様、おめでとうございます。また、ご応募いただいた皆様に厚く御礼申し上げます。
1 選考結果
入賞作品12点(最優秀賞2点、優秀賞4点、優良賞6点)
最優秀賞
浦富海岸を守る取り組み
作者:前田 葵衣 さん
(鳥取市/美保南小学校6年)
講 評
毎年夏に行く砂浜がいつもより狭く感じたことをきっかけに研究が始まった。昔と今の航空写真の比較や、海岸を管理している人に聞いた話等を元にして、海や川での工事が砂浜の減少に及ぼす影響について的確な考察がなされている。サンドリサイクルや人工リーフなど砂浜を守る工事も紹介し、美しい浦富海岸が地域の人々のくらしと共にあり、人々の取り組みによって守られていることがよく分かる研究作品である。
水とともに生きる
作者:竹田 朋 さん
(鳥取市/城北小学校5年)
講 評
土砂災害のニュースを見て地域の防災に興味を持ったことをきっかけに研究が始まった。川の流域マップには、調査して見つけた棚田、遊水地、頑丈な堤防などの写真が貼られ、それらが地域の安全を守っていることがよく分かる。地形を利用した棚田の役割や、玄武洞の玄武岩を護岸工事に活用する事などに触れ、地域の自然が防災にも活用されてことがよく分かり、ジオパークをテーマにした研究として優れている。
優秀賞
離れ岩のでき方
作者:野澤 彩花 さん
(岩美町/岩美北小学校4年)
講 評
離れ岩が「おもしろい形をしている」と日常で興味を持ったこと・不思議に思ったことが研究のきっかけになっている。自分なりに調べた結果がイラストを用いてわかりやすく説明されていた。離れ岩での新しい発見、驚きが伝わってきた。
めざせ!「ジオくかのう」
~エコ石けんからはじめるチャレンジ~
作者:保木本 悠 さん
(鳥取市/日進小学校3年)
講 評
エコ石けんの作り方がとてもよく分かりました。また、ジオパーク内の材料でエコ石けんをつくっている点もよかったです。研究では、環境問題についても考え、川や海を汚す原因は何か、ジオパークの環境を守るためにはどうしたらよいか、地域の持続可能(ジオくかのう)な取り組みについて自分の考えをしっかりと述べられていました。エコ石けんをつくるだけでなく、こうした環境問題もしっかりと考えている点が非常に素晴らしい研究でした。
岩美の海岸の地形と砂
作者:河本 陸翔さん
(岩美町/岩美西小学校3年)
講 評
同じ岩美町内でも砂浜の砂が違うことに着目して、自ら海岸に砂を採取しに行き、スコープを用いて、比較している。砂の違いだけにとどまらず、海岸の地形・景色が異なることにも着目した点が素晴らしい。海岸の地形について今後も継続して研究してほしい。
山とうみの花をしらべたよ
作者:濵田 千芳 さん
(岩美町/岩美西小学校2年)
講 評
山陰海岸ジオパークは海岸付近だけではなく山間部もエリアがあります。海だけでなく、山に生えている植物やどちらにも生えている植物も調べた点が非常によかったです。地形や地質に影響を受けて、植物も生きています。植物一つひとつのとくちょうを調べることも大切ですが、海辺や山間部に生える植物のそれぞれに共通した特徴や環境を考えるともっと面白い研究になると思います。
優良賞
鳥取砂丘
作者:杉本 佑耶さん
(京丹後市/網野北小学校6年)
講 評
一般的な風化運搬浸食作用を、鳥取の花崗岩の風化浸食作用・千代川の運搬作用・海底の堆積と季節風の作用など砂丘のでき方を身近な地域でよく理解し、イラストでうまく表現しています。砂丘の微地形(風紋・砂簾・砂柱)、砂丘の生き物(スナガニ・ウミクワガタ)など砂丘の不思議について着目したのがよかった。 ただ、ジオパークの研究発表は理科の発表ではありませんので、研究の内容が人々の生活に生かされていることに言及すればもっといい作品になったでしょう。
砂鉄のさい集
作者:岡田 将真さん
(香美町/奥佐津小学校5年)
講 評
理科の学習を通して、砂鉄について関心を持ち、実際に3つの海岸と学校の砂場に行き、自分で砂鉄を採取したところがすばらしい。サンプルもわかりやすく整理され、比べやすい。今後は、どうして場所によって砂鉄の量に違いがあるのかについて調べると、さらによい研究になるだろう。
丹後のお米のおいしさのヒミツ
作者:稲垣 陽太 さん
(京丹後市/網野北小学校5年)
講 評
内容をきっちりし整理し、ジオパークのテーマである大地・自然・人々との繋がりがうまく表現されています。 また、コメの品種の特徴や水と温度の関係などの要点をとらえています。 ただ、もう少しジオパークとの関係を調べたり、深く米作りの苦労や工夫を調べたりすればさらにオリジナリティがでたでしょう。
神鍋溶岩流でコツブムシ発見!!
作者:北村 泰成 さん ・北村 愛地さん
(豊岡市/清滝小学校5年・3年)
講 評
身近な田んぼで気になった珍しいコツブムシについて調べ、その生息場所を知るため調査範囲を広げている。また、結果について、写真を効果的に使い、違いや気づきをまとめているところが良い。本来、海に見られるコツブムシが淡水に生息をしていることは、地球の歴史と関係があるかもしれない。日本海を含む山陰海岸ジオパークをひとつの研究エリアとして、楽しみながら学びを深めてほしい。
いわみのいその生きものしらべ
作者:尾﨑 璃亜 さん
(岩美町/岩美北小学校2年)
講 評
海岸の生物に興味をもち、生息している生物の違いを実際に海へ行き採取して丁寧に調べており、努力の跡が感じられる作品。まとめ方も、写真を効果的に使うなど工夫している。調査結果から新たな気付きがあり、次回は水中調査を行いたいと意欲的であり、研究の広がりが期待できる。
うらどめかいがんのしま
作者:田中 莉奈 さん
(岩美町/岩美西小学校1年)
講 評
島の名前を調べるため、聞き取り調査とともに、船の上から調査し気付いた島の特徴まで記録した、探究心あふれる作品。まとめ方も、地図や写真を活用し、周遊マップともいえるものに仕上げている。様々な観点から島々を比較しながら調査できており、今後も探求的な研究に期待ができる 。
2 募集期間
平成29年6月28日(水)~平成29年9月29日(金)まで
3 応募点数
127点
4 審査委員会
下記のとおり審査委員会を開催し、入賞作品を決定しました。
日 時 | 平成29年10月17日(火)13時30分から16時30分まで |
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場 所 | 香住B&G海洋センター(兵庫県美方郡香美町香住区境1125) |
委 員 | 山陰海岸ジオパーク推進協議会 教育部会※ 委員 6名 |
審査委員長 | 谷本 勇(山陰海岸ジオパーク館 館長) |
※教育部会=ジオパーク活動を通じた科学教育・郷土学習・体験学習の展開について、協議・検討を行う部会。構成は、教育関係者や有識者等。 |
5 作品巡回展
下記の日程で、入賞作品の展示を行います。
施設名 | 展示期間 |
※新温泉町 山陰海岸ジオパーク館 (兵庫県美方郡新温泉町芦屋水尻) |
平成29年11月26日(日)~平成30年1月4日(木) 午前9時~午後5時 |
鳥取市中央図書館 (鳥取県鳥取市富安2丁目138-4) 展示期間中休館日:火曜日 |
平成30年1月11日(木)~平成30年1月17日(水) 午前9時~午後5時 |
ら・ぽーと (京都府京丹後市網野町網野385-1) |
平成30年1月23日(火)~平成30年1月28日(日) 平日:午前8時30分~午後6時/土・日曜日:午前10時〜午後6時 |
※がついている会場では、応募作品127点すべてを展示します。 |
6 問い合わせ先
山陰海岸ジオパーク推進協議会
〒668-0025 兵庫県豊岡市幸町7-11(兵庫県豊岡総合庁舎内) TEL.0796-26-3783
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