山陰海岸ジオパーク
児童研究作品コンテスト審査結果
~入賞作品の発表(令和6年度)~
山陰海岸ジオパーク推進協議会では、山陰海岸ジオパークエリアの全小学生を対象に、同エリア内の地形・地質、動植物、 歴史・文化、産業・観光等に関する研究作品を募集し、コンテストを開催しています。
令和6年度は37点の応募作品があり、審査の結果、18作品が入賞作品に選ばれました。入賞された児童の皆様、おめでとうございます。また、関係者の皆様にも厚く御礼申し上げます。
1 選考結果
入賞作品18点(最優秀賞2点、優秀賞4点、優良賞6点、ユニーク賞2点、努力賞4点)
最優秀賞
海にかくれた宝石のひみつ
作者:西根 蘭音 さん
(鳥取市/宮ノ下小学校3年)
講 評
鳥取県東部地域の海岸の鳴り砂を、大変丁寧に調べることができました。また、顕微鏡の写真もきれいに撮れましたね。顕微鏡の倍率やスケール(定規など)と一緒に写真を撮ると、砂粒の大きさの違いがもっとはっきりとわかると思います。各海岸の砂の特徴を比べただけでなく、海のきれいさや砂ガニの巣穴の大きさ、漂着ゴミなど、周りの環境も観察し、鳥取の海や海岸がとてもきれいなことに気づけたことは、非常によかったですね。鳥取の魅力を発見してくれたと思います。
火山灰を分析しよう!
作者:萬 希良里 さん
(新温泉町/温泉小学校6年)
講 評
たくさんの火山灰を採集して、わんがけ法で鉱物を調べ、実験の様子を写真に撮り、きれいにまとめることができました。鉱物の同定はなかなか難しいですが、磁石にくっつく磁鉄鉱に着目したのは分かりやすくてよかったですね。火山灰に含まれる鉱物の種類だけで、どの火山の火山灰かを見分けることは難しいですが、活火山のない山陰海岸も、大地の成り立ちに火山噴火の影響を受けていることがよくわかりました。専門の先生方にいろいろ教わりながら調べた行動力も素晴らしいと思いました。
優秀賞
スナガニの砂アートはすごい
作者:前川 わかな さん
(鳥取市/福部未来学園3年)
講 評
砂ガニについて、砂団子に着目して研究を行いました。砂団子の拡がりの形に着目して調べたのは、おもしろいですね。また、いろいろな海岸で砂ガニを見つけることができました。岩戸海岸で同じ広さの中で砂ガニの巣の数を調べたのは、とても科学的な方法だったと思います。かにっこ館の先生に疑問点を質問し、解決できたことも良かったです。砂ガニが住みやすい環境が山陰海岸に残っていることがよくわかりました。
山陰但馬のカニを調べて
作者:竹内 伸之介 さん
(豊岡市/港小学校5年)
作者:竹内 悠之介 さん
(豊岡市/港小学校2年)
講 評
兄弟で協力して松葉ガニ(ズワイガニ)と香住ガニ(ベニズワイガニ)について、詳しく調べることができました。また、カニを捕っている漁師さんと、料理をしているお父さんにインタビューをして、カニを捕ることの大変さと、料理する人の工夫や気持ちを知ることができてよかったと思います。さらに、山陰但馬のカニがおいしい理由と日本海の特徴との関係、生息域の違いによる漁法の違いなど、いろいろな視点から調べられたことは、ジオパークの研究として素晴らしいと思いました。
鳥取の砂の研究 ~鳴砂を作ろう!~
作者:宮脇 さら良 さん
(鳥取市/大正小学校4年)
講 評
鳴り砂の研究は、これまではどの海岸の砂が泣くかという研究がほとんどでした。鳴かない砂を鳴り砂に変える研究は、とても面白いと思います。鳴く砂の特徴を調べ、その特徴に近づけるために粒の大きさをそろえたり、砂を水やお湯で洗ってきれいにしたり、いろいろな工夫が見られました。賀露の海岸の砂は鳴かないですが、それを鳴り砂に変えることができたのはすごいですね。鳴り砂の海岸は全国的にも減ってきていますが、どのようにしたら復活するのか、ヒントになるかもしれない研究だと思いました。
山陰海岸の石や砂
優良賞
あじつりだいさくせん
作者:池井 悠真 さん
(鳥取市/遷喬小学校1年)
講 評
いつどこで魚がたくさん釣れるかを調べたいという動機がはっきりしていて、調べる方法を明らかにされているところが素晴らしいです。結果も表と図で書かれているので、わかりやすくなっています。図にも写真を使っているので、読む人は昼と夕方に実際にどんな魚が取れたのかがイメージしやすいと思います。来年は、他の生き物でも同じように調べてみると面白いかもしれません。ぜひ、チャレンジしてみてください。
おんせんびより
作者:西亀 こはる さん
(岩美町/岩美南小学校2年)
講 評
山陰海岸ジオパークの温泉を調べるという視点がとても面白かったです。温度が違うという予想を立て、実際に調べていたところが良かったです。温泉の成分の違いを見られていたところも良かったです。温泉の成分のちがいに着目すると、さらに面白くなると思います。来年も他の温泉に入ってみると、また違うことに気づくかもしれません。来年もぜひ山陰海岸ジオパークのことを調べてみてください。
鳥取砂丘に草?
作者:森田 壮祐 さん
(鳥取市/遷喬小学校5年)
講 評
鳥取砂丘が抱える砂の移動と草原化の問題は、昔から課題になっています。そんな鳥取砂丘の草原化の問題を取り上げ、話を聞いたり資料で調べたりして、わかったことを自分の言葉でまとめているところが素晴らしいです。難しいこともあったと思いますが、しっかり調べられていて努力を感じました。外来生物の問題もとても重要な話題なので、鳥取砂丘の環境を守ることの大切さを訴える良い自由研究でした。来年もぜひ継続して調べてみてください。
山いん海岸ジオパークの岩石とすなのひみつ
作者:澤 哲平 さん
(岩美町/岩美西小学校3年)
講 評
実際に岩石の見られる場所に行って写真をとり、図鑑にしたことが素晴らしいです。岩石標本もあるので、見る人にとってもわかりやすい内容だったと思います。これらの岩石がたくさん見られる山陰海岸ジオパークの魅力を発信することにつながる、よい自由研究でした。自由研究に時間をかけて熱心に取り組んだことがよく伝わりました。ぜひこれからも山陰海岸ジオパークのことを調べてみてください。
日本一古い?鉱山『荒金鉱山』を見学してきた
作者:田中 綾花 さん
(新温泉町/浜坂東小学校5年)
講 評
山陰海岸ジオパークのエリア内にも多くの鉱山がありますが、閉山して今では知られなくなったところが多いようです。その中で近くの荒金鉱山を施設の方の協力を得ながらわかりやすくまとめられています。荒金の名の由来、鳥取地震における被害や鉱山の歴史もわかりやすかったです。また、閉山後今でも続いている中和処理作業は、銅の資源としての活用と問題点を示しています。130年以上を経過した今でもその影響の大きさを感じます。田中さんのヘルメット姿がカッコ良いです。
山陰海岸ジオパーク ~但馬御火浦~
ユニーク賞
国府町に道の駅を作ろう
作者:山下 暖仁 さん
(鳥取市/国府東小学校6年)
講 評
ジオパークの目的の一つに地域振興があります。集客をして地域を盛り上げるために道の駅を作ろうという提案はとても面白いです。近隣の道の駅の特徴をさぐりながら、道の駅をつくるためのポイントを示してくれました。地元国府町の特色もよくわかりました。山下さんの提案を元にこのプロジェクトが進めばいいなと感じます。これからも地域の活性化に向け魅力を発信してください。
大谷海岸 砂浜の足あと調べ
努力賞
うらどめかいがんのいきものたち
作者:伊澤 柚希 さん
(岩美町/遷喬小学校2年)
講 評
うらどめかいがんのきれいな海を大切にしたい気持ちが伝わってきます。実際に海にもぐって写真を写すのは大変だったと思います。空や、砂、海の中にすむ生き物の名前や特色がわかりやすくまとめられています。イシダイのこどもが人の体をツンツンつついてくるような経験は海をよく知っている人しかできないと思います。これからも海の生き物がすみやすいきれいな海を残すように、皆さんにうらどめかいがんのすばらしいところを伝えてください。
たじまの海のプラスチックごみ
作者:上田 奏空 さん
(豊岡市/豊岡小学校3年)
講 評
但馬地域の5つの海岸を巡り、漂着ごみを拾うだけでなく、その漂着ごみを仕分けし、海岸ごとにまとめる努力が大変素晴らしいです。また、漂着ごみが放置されることによる海の生物への影響を考え、その影響が私たち人間にも及ぶという認識を持てたことはとても立派です。今後も、人間と共に生きる海の生き物への関心を高めるとともに、ごみを減らす方法や集めたごみを再利用する方法についての研究を進めていくことを期待しています。
ふるさとの海の命をいただきます
作者:松井 海晟 さん
(香美町/柴山小学校6年)
講 評
理科で学んだ人間の体の構造から、魚やイカの体の構造に興味を持ち、実際に魚やイカを釣ることから始め、調理までしているところに努力が見られます。料理の種類も多様であり、その料理を家族に食べてもらい、評価をもらっているところが大変面白い内容になっています。魚やイカの特徴をしっかりと捉え、調理方法を工夫する姿勢が素晴らしいです。今後は、人間の体の構造と魚の体の構造は、どこが同じなのか、どこがどのように違うのかということを調べてみると、思わぬ発見ができるかもしれません。
たけのはまのいきものかんさつ
2 募集期間
2024(令和6)年9月2日(月)から10月10日(木)
3 応募点数
37点
4 審査委員会
下記のとおり審査委員会を開催し、入賞作品を決定しました。
日 時 | 2024(令和6)年10月16日(水) 14時~16時 |
---|---|
場 所 | 香住B&G海洋センター(兵庫県美方郡香美町香住区境1125) |
委 員 | 山陰海岸ジオパーク推進協議会 教育部会員※ |
審査委員長 | 谷本 勇(山陰海岸ジオパーク館 館長) |
※教育部会=ジオパーク活動を通じた科学教育・郷土学習・体験学習の展開について、協議・検討を行う部会。構成は、教育関係者や有識者等。 |
5 作品巡回展
下記の日程で、入賞作品の展示を行います。
施設名 | 展示作品 | 展示期間 |
新温泉町 山陰海岸ジオパーク館 (兵庫県美方郡新温泉町芦屋水尻) |
全応募作品 37点 | 2024(令和6)年11月13日(水)~2024(令和6)年12月8日(日) |
鳥取砂丘ビジターセンター (鳥取県鳥取市福部町湯山2164-971) |
入賞作品 18点 | 2024(令和6)年12月10日(火)~2025(令和7)年1月5日(日) |
ら・ぽーと(京丹後市網野庁舎) (京都府京丹後市網野町網野385-1) |
入賞作品 14点 | 2025(令和7)年1月7日(火)~2025(令和7)年1月19日(日) |
6 問い合わせ先
山陰海岸ジオパーク推進協議会
〒668-0025 兵庫県豊岡市幸町7-11(兵庫県豊岡総合庁舎内) TEL.0796-26-3783
令和6年度入賞作品へ 令和5年度入賞作品へ 令和4年度入賞作品へ 令和3年度入賞作品へ 令和2年度入賞作品へ 令和元年度入賞作品へ 平成30年度入賞作品へ 平成29年度入賞作品へ 平成28年度入賞作品へ 平成27年度入賞作品へ